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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


馬に乗せられ空を見上げれば、夕日が薄雲をオレンジ色に染めどことなく高い空は本格的な冬を知らせているようだった

「もうすぐ冬だね」
「そうですね」




城に戻れば、信長や秀吉ももう城に戻ってきたようで湖は「信長さまにお礼をしてくる」と言い、天主へと向かっていく
三成はその後ろ姿をおってみていれば、ちょうど出していた使いが戻り報告をうけた
油問屋大山の報告だ

「・・・書面上は、特に変わった点はないか・・・」
「はい、書面上は・・・ですが」

使いの報告に、三成は漏れの無いよう耳を傾ける

「問屋としては、ある程度評判もよく、店で働く者の評価も良いと思われます。ですが噂では、先代の時から若旦那、今の主が店を動かしていたとか。倉に高価な品が収まっているという噂も・・まだ確証はとれませんが、商同士の評判はさして良くはありません」

(やはり・・・なにかあるか・・・)

「・・・飼い犬は居ましたか?」
「犬?ですか?・・・すみません、お調べします」
「すみませんが、犬の件は早めにお願いします」
「はっ」




「失礼します、湖です」
「入れ」

天主の襖を開けば、其処には信長の他に、秀吉、光秀が揃っていた

「湖、もう大丈夫なのか?」
「うん。家康ももう大丈夫だって」

秀吉にそう返すと、膝を付き

「皆さん、おかえりなさい。あと、ご心配おかけしてすみません」

そう言い頭を下げた
そんな湖に秀吉は頬を緩める

「今度からはつまみ食いにも注意するんだな」

ククッと光秀が笑えば、湖は「もうしませんよ」と頬を膨らませ笑うのだ
だが、次に信長を見て目を合わせば、少し言い淀むように口を開く

「それで・・信長さまは・・・大丈夫ですか・・・」
「何の話だ」
「・・・とぼけないでください。私と同じだけ飴を食べたじゃないですか」
「貴様と身体の作りが同じなわけ無かろう」

見下ろすような視線、いつもの笑み
そして、今の返答
この件に関して、信長が自分に事の真相を話すことはないのだろうなと、湖は口をつぐんだ
ならばと、再度頭を下げそのまま信長に言わなきゃいけない事を伝えた

「・・・巻き添えにしてしまい、申し訳ありませんでした」
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