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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


しゅ・・・

木の乾いた音を立て、窓が閉まると三成は「すみません、寒かったでしょうか?」と、湖と向かい合う
二人は机を挟んで座るとまもなくして店の物が甘味を運んできた
湖にはお汁粉、三成にはお茶を

「三成くんは、食べないの?」
「私は、朝・・・あれ、食べてないかもしれませんね・・・」
「ふふ・・・っ、じゃあ、はい。あーん」
「・・・っ、湖さ、まっ」
「ん?大丈夫だよ、私、まだ食べてないから・・・あ、熱いの苦手?」
「いえ・・・そうではないのですが・・・」

だんだんと、頬の赤みが増す三成に湖もつられて頬が染まり出す
そして、一度差し出してしまった手を引くことも出来ず、匙にのった白玉があんこのしずくをぽたりと机に垂らす

「・・・では、いただきます」

どうしていい物かと迷っていれば、三成が湖の匙を持つ手に手を重ね、匙を支えるようにしそのまま白玉を食べた

「・・・甘いです」

その気恥ずかしそうな姿に、湖は今更自分の行動の大胆さに気づき真っ赤になった

「ご、ごめんっ、、これ、恥ずかしいよね??大の大人にっ私ってば・・・」

慌てる湖に、三成はくすくすと笑い始め、「いえ。お気に掛けていただき、嬉しいです」といつもの笑みを返す
それを見た湖は落ち着いたように「うん」と微笑んだ
そして、お汁粉を一口含むと

「確かに・・・甘いね」

と、眉を下げて笑うのだ
三成は、湖が食べ始めたのを見ると再度窓を少し開け外を見る

「・・・三成くん、外になにかあるの?」
「こちらに・・・」

そう言われて三成の横に行くと、窓の隙間から見えるのは大山の店だ

(あ・・・さっきの人)

見ていると、先ほど城であった男が戻ってきた所だった

「あの人、さっきお城に来てた?」
「会われましたか?」
「うん・・・「姫のお加減はどうですか?」って聞かれた。女中の格好していたし名乗るのも名乗るのも変かと思って「ご心配ありません」って返したけど・・・あの人、信長さまが集めた茶会の時に、顔色悪かった人」
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