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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


「もともと少量の毒です。解毒薬が解れば、すぐにその症状は収める事が出来ます・・・気になるのは、今までこれで死亡した大名達の毒とはその強さが違いすぎること・・・」
「・・・どうゆうことだ、家康」
「信長様と湖が口に含んだ一欠片・・・あれだけで、昨日のような症状が出た。だとすれば、今までこれを食べた大名は四つも食べればその日の内・・・数刻中に死亡していると思うんです」
「だが、二人の大名が死ぬまでには時間を要している・・・ってことか」

家康の話を聞いていた秀吉がそう呟いた

「そうです・・・」
「毒を変えたと言うことか・・・」
「であれば、当初から目的は信長様だったということか」
「・・・可能性はあります。あくまで可能性ですけど・・・」

「失礼します・・・家康、いいか?」

襖を開けた政宗が家康を呼んだ

「今行きます」

家康が立ち上がるのを黙って見ていた信長が、部屋を去るため一礼しようとする彼を止めた

「湖はどうした」
「・・・まだ寝ています」

家康はそれ以上言わないまま天主を出た

「秀吉、何があった」

だが、勘の鋭い信長はこれを見逃さない
側に控える秀吉に、家康の代わりに尋ねたのだ

「・・・・・・」
「秀吉」
「・・は。実は、解毒の一部の薬草が珍しい種類のものを使用しており、それが一人分しかなかったのだと聞いております」

そう聞くと、信長は小さく舌打ちをするのだ

「湖にも同様の種類の解毒は処方していますが、効き目に時間が掛かるとか・・・」

秀吉は眉を寄せたまま報告を続ける

「・・・どんな症状を引きずっている」
「命に別状はない症状です。一週間ほど薬湯を飲めば、収まると・・・幻覚症状です」
「幻覚だと?」
「はい。ですが、湖は今のところそのようなものは起っていないようです。体調も回復して、先ほど三成からもう起き上がっていると報告も来ています」
「・・・湖の行動、周辺すべて注意しておけ」
「承知しております」

「失礼します。御館様・・・庄内屋を連れて参りました」

信長と秀吉の話が丁度終わった頃、襖の外から光秀の声が聞えた
許可を貰って光秀が庄内屋の主人と共に部屋へと踏み入れた

「聞きたいことがある」

招かれた商人は、何用かと顔を青ざめびくびくとしていた
これから何が起るのかと
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