第20章 私が猫で、猫が私 (裏:安土組全員)
家康は、その指を自分の口元に運んでくるとわざと音を立ててその指を舐めた
「え・・・」
その音に湖の視線も家康の顔の方へと向けられる
「これは、汚れ物じゃない・・・あんたが、俺を感じている証拠でしょ」
「で、でも・・・こんなにいっぱい・・・」
「そんなにいつもと変わらない・・・明るいから、驚いているなら解るけど・・・あんたは、普段からこれくらい蕩けてるよ」
「え・・・」
腕の中に収まる湖が、家康と目を合わせたまま呆ける
「確かにいつもより感度は良いけど・・・いつもと大して変わらないから・・・」
(そう、達するのは早いけど・・・それ以外は変わらない)
そう素直に思っていることをほいほいと口に出し説明してやれば、湖は不安な表情から、困惑へ・・そして、悟ったのか、今まで以上に顔を真っ赤にさせ
「いえ、やす・・・あの・・・」
「理解できた?出来たなら、俺も・・・我慢できないんだけど・・・」
泣いている理由に気づいた時
愛おしい彼女が更に、愛らしくて堪らなくなった
理由なんて説明せずに、そのままめちゃくちゃに抱きたくなった
だが、それをすれば湖の心は浮かない
なら、理解させてから
ちゃんと、理解させてから続きをしたい
ガンガンと欲をはき出したい身体を押さえて、強く抱きしめた湖にわかりやすく説明をした
湖も家康の話は理解できた
そして、「我慢できない」そう言った彼の言葉は身体でも理解している
先ほどからおしりの下を押してくる硬いもの
「ご、ごめん・・」
真っ赤になりながらそう言い
一気に軽くなった心に素直に従うと
顔を上げて、軽く唇を押しつけた
彼の唇に
「家康・・・いっぱい・・・抱いてください・・」
謝罪の意味も込め、そう言えば・・・
「・・・あんたは・・・」
湖の目を覆ったのは家康の手の平
いつもより体温が高いと思ったのは気のせいだろうか
「・・・日が沈んでも離す気無いから・・・覚悟しなよ」
翌昼、二人揃って起きた時には
どちらとも云えず小さく腹の虫が鳴いていた
湖の猫耳はもちろん、尻尾も跡形もなくなくなっていたのだった
さて、この小屋の持ち主は?
誰でしょうね・・・
家康編終了です