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【イケメン戦国】私と猫と

第20章 私が猫で、猫が私 (裏:安土組全員)


私が呼んでしまったのは、目があった彼・・・
「みつひで・・さん?」
その口元は、ゆっくりと口角を上げていった

■光秀 調教「魅了」■

選んだんじゃない、目が合ったから呼んでしまっただけ
皆が驚いた
湖だって、思わずその口を手で覆った
そして、秀吉は止めに入ったがもう遅い
湖の身体は光秀に抱えられ、既に馬上にある

「では、早々に解決法を探し帰還しますゆえ・・・湖は預かります」
「・・・解った」

信長はそんな光秀に短く答えた
一礼すると、光秀の馬は秀吉の制止も聞かずに走って行ってしまった

そして、今
私たちは人の住んでいない捨てられた家の前にいる
馬を繋いだ光秀が、戸を開ければ・・・
人が離れて間もないのか、さほど汚れて居ない家だと解る
食料がある雰囲気はまるで無い

光秀は室内に入り、部屋の様子を確認すると戸口で立ち止まったままの湖の片腕を引き部屋に入れた
そして、その戸を閉めてしまう

「っ・・・」
「さて・・・早々にと、約束してしまったからな・・・さっそく始めるか」
「っ、はじ・・めるって・・・何をですか・・・」

本当は解っている
自分のこの耳と尻尾を消すために、これから光秀がやろうとしていることは

「そう硬くなるな。ただ、その付属品を消す為の・・・まずは所見だ」
板張りに腰を下ろし、湖を見上げる光秀
日の光が差し込む室内だが、今光秀が腰を下ろしている場所はその位置のせいか薄暗い

「せめてもの配慮だ。此処がこの家の中では暗いだろう?」

くつくつと笑う彼はいつもより色気を帯びて見える

「っ・・・」
「・・・湖、来い」

びくんと、動く耳に光秀は含み笑いをする

「明るい所が望みか?それとも・・・そのままで居るか?」

少しだけ、少しだけの間を置き、湖の足は光秀の方へと進む

「・・・いい子だな、湖」

座る光秀のすぐ前に立った湖
頬を染めながら不安の色をその目に浮かべている

「そんな虐めがいのある顔を見せるな・・・目的を忘れそうになるぞ」

ぴくぴくと、耳が動く
硬く握られた手の片方を持ち上げ、光秀はその拳に口づけを落とす

「っ・・・」
「声が恥ずかしいのなら口元を押さえていろ」

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