第20章 私が猫で、猫が私 (裏:安土組全員)
視線は定まらず、開けっ放しの口からは唾液が零れている
未だ湖の中にいる指はキュウキュウと締め付けて離さない
「・・・まだ・・・足りませんよ、湖様・・・」
その頬をするりと撫でてやる
すると、まだ定まらない視線のまま手が上に上がる
何かを探すように
その手を捕まえると、自分の口元に運んでくる三成
そして指先に口づけを落とし、床に降ろしてやる
「・・・・・・」
「はい、ここに居ますよ」
湖の口がパクパクと開く
開くが音が出ない
でも、自分を呼んでいるのは解る
三成は、いつものように返事をしてみせる
同時に、湖の異変に気づいた
猫の耳が消えている
視線を下に移せば、足の間にあった尻尾もその姿が見えない
(・・・これは、予測外・・・この行為で消せた・・・という事でしょうか・・・)
こんな時でも、原因追及してしまうのはもう癖だ
確認しようと、湖の膣内に収まっていた指を抜けば、湖の肢体はビクリと大きく跳ね、蜜液がどろりとあふれ出す
「・・・あ・・・」
こぽこぽとあふれてくる蜜液に目を奪われ、しばらくそれを観察するかのように魅入る
だが、とどまることがない蜜液と麻痺に、三成は湖と顔を合わせる
汗に蜜液に潮に・・・体中の水分が出て行くんじゃ無いか
このままどろどろに溶けてしまうんじゃ無いか
そんな事を考えていると、視界にぼんかりと人影が入ってくる
橙の灯と、それに照らされた男の顔
どこか不安そうに自分を見ている
(そんな、顔・・・されたら・・・このまま、意識をてばなせない・・よ・・・)
重たい手を持ち上げ、三成の頬に手を添える
まだ身体は小さく揺れている
子宮は未だキュウキュウと鳴いている
「み・・・つ、なりく・・ん・・・」
喘ぎすぎで声もからからだ
「湖様・・・」
名前を呼べば、いくらか不安な顔は和らいだように見えた
(意識・・・もどって、よか・・った・・・)
「どうしたの?」と言ってあげたいが、声が出ない
手も重すぎでもう上げていられない
力が抜ける
だが、その手は三成にしっかり持たれている
「・・・湖様、尻尾と耳の消し方が解りましたよ・・・今、湖様から・・・尻尾が消えました。この行為で、お体が元に戻るようです」