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【イケメン戦国】私と猫と

第19章 私が猫で、猫が私


謙信が、眉をしかめを相手を見る
みればそのオッドアイが、小さな猫を思い出させる

「鈴」

謙信がはっきりそう呼べば、鈴は嬉しそうに笑って返事をした

「にゃあ」

そして、逆側を向き

「のぶなが、ひでよし、まさむね、いえやす、みつなり、みつひで、みんな鈴大好き!・・・でも、もうお終い。また今度遊んでね」

少し悲しそうな鈴の顔
鈴が初めて見せた表情
湖の泣出しそうな表情とよく似ていた

「存分に遊んでやる」

信長がそう言ったと同時に、二人の直ぐ後ろの杉の木に雷が落ちた
目がくらむ光り
音はしない
振動もない
ただただ視界が真っ白になる
誰もがまぶしく目を細めた

そして

再び視力が戻ったとき、空は晴天
雲一つ無い、真っ青な空
雷が落ちた杉は真っ二つに割れて倒れていた
その根元に、倒れているのは一人の女

誰ともなく駆け寄ってその安否を心配していると・・・

「ん・・・」

鈴の為に用意された着物を着た女が、小さく声を漏らす

「・・・湖様・・・」

三成がその名を呼ぶと

「・・・三成くん」

薄ら目を開き、そう答える

「湖っ!!」

秀吉が、その身を抱き上げ起こした

「ひゃぁ・・っ、ちょっと、待って下さいっ秀吉さん・・・なんか、頭がくらくらしてて・・」
「あ、悪ぃ・・・っ」

「雷に当たったようなものだから・・・湖さん、一体どうなってるの?」

佐助の声が間近に聞え、下に目線をよこせば
やはり直ぐ側にその姿がある
秀吉の横に佐助
すごい違和感を感じながらも、苦笑いをしてみせる湖

「・・・」

信長も、謙信も、信玄も・・・他の武将も敵同士なのになぜか、いざこざは起きず注目され続ける湖
その視線を感じ、溜まらず声を出す

「な、なんですか・・・っちゃんと、戻りましたよ」
「いや・・・その・・・な?」

すぐ近くの秀吉も歯切れが悪く、湖の頭の上に視線をよこす
その視線に違和感を感じ、自分の手で頭の上を撫でるように触れば・・・

ふわふわ、ぴくんっ

人の頭にはないはずの物の感触がある
三角で毛が生えてて・・・

「え・・・これって・・・」







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