第19章 私が猫で、猫が私
複数の声が聞え、二人がそちらを振り向けば雨に濡れている面々が居る
『え・・・皆さん・・・どうしたんですか??え・・・謙信さま・・?!』
「あ、のぶなが、みーつけたっ!」
湖と鈴を見て、一瞬言葉を失う者達
「・・・なるほどな、神様か・・・あながち、言い間違いでは無い」
「湖、どうなってる…その姿はなんだ」
信玄と謙信が、まじまじと二人をみる
その二人の後ろに、遅れてる到着したのが幸村と佐助
「げ、まじで双子かよっーか、本当に猫娘だ・・・」
「・・・ワームホールと似たような現象が起きてるのか」
「場違いな奴も居るが・・・今は、いい。湖、いったいどうなっている」
「湖、鈴、お前たち大丈夫なのか?!」
信長の横で秀吉が心配そうにしているのが見える
「ひでよし、だいじょうぶだよ」
鈴が笑って答えた
「鈴様・・・ですか?それとも、湖様・・・」
「どっちも同じだろう・・・いや、目が違うのか・・・」
三成の言葉に、政宗が答え二人を見分けようとする
「ここに居ると全員雷の餌食になりますよ・・・ひとまず避難しましょう」
「避難出来る場所があるのか?」
割りに落ち着いた口調の家康に、それに葉っぱをかけるような光秀
それを見た鈴が笑い始めた
「みんな、おもしろーいっ」
クスクスと愉快そうな鈴
「鈴、ちょっと・・・」
湖がさすがにまずいと止めようとすると、鈴はその身体をぎゅうと抱きしめた
「っ・・・鈴??」
耳元にかすかに聞える鈴の声
『約束、ずっと一緒だよ。湖、大好き』
湖の耳元から顔を離すと、鈴は謙信達の方に話しかけた
「ざんねん、もうちょっと時間があれば、けんしんたちともお話出来たのに・・・」
「っ・・・謙信?!」
その呼び名に、幸村がぎょっとして声を上げた
「しんげんも、ゆきむらも、さすけも、けんしんも、鈴だーい好き!また遊んでね!」
「・・・鈴だと?」
信玄が、その名を呼ぶ