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【イケメン戦国】私と猫と

第19章 私が猫で、猫が私


だが、移動しようとしたその身体を秀吉が制する

「だめだ・・・光秀のところで食べさせたら、酒の飲まされる事になる。鈴はここに居ろ」
「・・・残念」
「さけ?おいしい?」
「興味があるか?鈴」
「御館様も、おやめ下さい!」
「まったく・・・湖の兄は今や、鈴の母だな」

席に着いた光秀が笑う

「誰が、母親だ」
「おや・・・以前もそんな話がでましたね」

眉間を寄せる秀吉の横で、三成がにこやかに席についた

「遅くなったが湖と鈴のもてなしだ。存分に楽しめ」

信長の号令のもと食事が始まる
政宗の持ってきた料理は、どれも美味しく
湖(猫)はもちろん、鈴(人)も秀吉に世話されながら美味しく食べてた

食器は徐々に空になり下げられていく
おなかも膨れ、武将達の話を聞きながらゆっくり過ごしていると・・・

「・・・さて、次だな。湯殿へ行くぞ」

そう言い、湖(猫)を肩に乗せた政宗と鈴の片腕を引く光秀が立ち上がる

(ん・・・??・・・なに?)

「にゃあ?」
『にゃあ?』

鈴(人)も湖(猫)も同じように二人を見た

「政宗さん、光秀さん・・本当に一緒に入るつもりですか・・・」

家康が不機嫌そうにこちらを見ている

(一緒に・・・入る?)

「言っておくが・・・鈴の湯あみは、お前らが思っているようなもんじゃないぞ」

秀吉は、言葉ではそう言うが留めはしない

(まさか・・・)

「湖様、鈴様・・・今夜は、お二人が湯浴みにご一緒されると・・・」
『っにゃにゃっ!!』

三成の言葉が終わる前に、政宗の肩を飛び降りようとする湖(猫)
その身体を片手で掴むように離さない政宗

「心配するな、湯に落としたりしない」

(っちがう!!!そうじゃなくて、どうして二人と入らなきゃいけないのっ!!)

「では、信長様。失礼します」

湯だと気づいた鈴(人)も、側に居た三成の背にしがみついたまま離れようとしない

「っや、やだっ!」

片手で、必死に三成の着物にしがみついたが、その手を外され光秀の肩に背負われると、ばんばんと光秀の背を叩く

「おふろ、やっ!みつひで、きらいっ!!」
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