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【イケメン戦国】私と猫と

第19章 私が猫で、猫が私


そう言いながら、鈴(猫)を自分の組んだ足の上に置いてやる家康
それを見て、信長が鼻で笑った

「そう言いながら湖を囲うのだな、貴様は」
「・・・囲っているわけじゃない。そんなところで寝られたら邪魔なだけです」
「そうですね・・・あのようなところで寝てしまっては、誰かに踏まれるかも知れません。やはり家康様は・・」
「いい。三成。仕事をしろ」

家康は、三成にそれ以上言わせないとばかりに話を断ち切る
やがて、刻は進み夕餉の時刻

美味しい匂いが室内に広がると、湖(猫)は薄く目を開けた
ゆらゆらと揺れて気持ちのいいこと

(ぬくい・・・まだ寝ててもいいかも・・・)

「おい、湖起きろ。飯だ」

政宗の声に、目を覚ます湖(猫)
あたりを見回せば、既に膳が運ばれ、美味しそうな料理がたくさん並んでいる

(わぁー)
『みゃんっ』
「起きたんなら、出て行って・・・」
『にゃ?』

喜びの声を上げた途端に、上から聞える声
顔を上げれば、それは家康で
どうやら、自分の居る場所は家康の懐なのだと気づいた

(え・・・私・・・入り込んだ??)

「勘違いしなくていいぞ。其処にお前を入れたのは、家康自身だ」

政宗が湖(猫)を覗き込んだままそう言った

「邪魔な場所に居たから退けただけです・・・」
「ほんと、素直じゃ無いな・・・」

ふぅと、政宗がため息を漏らした

『・・・にゃぁ』

湖(猫)は、一鳴きすると家康の懐から飛び降りる

(なんか、よく解んないけど・・・すごくゆっくり眠れてた。家康、ありがとう)

そして、するりとその身を足もとに擦りつけた

「・・・べつに」

小さく家康が湖(猫)に答えた
夕餉は、普通より豪華に・・・まるで宴のような品揃え

(すごい・・・どれも美味しそう!)

「湖、こっちに来い」

政宗に呼ばれ近づくと、その膝に乗せられる湖(猫)
その膳の真ん中には湖用の小さな器が用意されていた

「此処によそってやるから、遠慮せずに食え」

そして、その頭をわしわしとなで回される

『にゃ、みゃぉん!』
(政宗、ありがとー!)
「鈴は、こちら来い」

光秀が鈴(人)を呼ぶ
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