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【イケメン戦国】私と猫と

第18章 秘密の抜け道(裏:謙信、信長)


光秀と三成は、信長の側に近づき抱えられている湖を上から見下ろす

「湖、政宗が城中探し歩いていたぞ」
「・・・やっぱり、政宗・・気づいてた?」
「・・・湖様?」
「あ。・・・うん・・・」

言葉に詰まりながら返事をすると、信長が湖を抱きかかえたままで馬に乗った
そんな湖の側に、身軽な馬が一頭近づいてきた
湖が乗ってきた馬だ

「ごめんね、今は乗れないんだ」

そう言い、馬のたてがみを優しくなで、その手綱を三成に渡す湖

「秀吉の御殿と、城の庭を繋ぐ抜け道が出来ている。猫が時折通るようだが・・・もうそこを通る必要はないだろう・・・」
「そのような道がありましたでしょうか?」

手綱を渡された三成は、眉をしかめ湖を見たが、湖は気まずそうに顔を背ける

「お前の頭に入っていない場所はないだろう、三成」

信長のその言葉に、更に身を縮める湖は叱られた猫のようだ

「だが、面白い仕掛けがある。一度通ってみるのも良し」
「それは一度見てみたいですね」
「俺も見せて貰おう、なぁ湖」
「は、はい・・・あっ。でも、すごく見つかりにくくて、すごく通りやすいのは確かです!何度か使ってますけど、誰にも見つかりませんでしたよ」

気まずさは見せるも抜け穴はすごいのだ
そう表情を明るくさせる湖
信長は、それに付いては何も言葉を発しなかった
光秀は、気づかれないようため息を零す

「それでは・・・」

三成が、にこりと湖を見た

「帰りながら、この度の経緯を話してくださいますか?それとその道を何度、どのような目的で使用されていたのか」

にこやかないつもの顔の三成のはずなのに異常に冷たい空気を感じるのは、気のせいだろうか・・・湖は身を震わせた

「もうひとつ、そのお怪我・・・どうされたのかも」

三成の表情は崩れない
だが、確実にいつもとは異なる雰囲気に湖は、先ほど信長に感じた空気と同じようなものを感じる

(もしかして・・・怒ってる・・・?)

「三成、湖が怯えてるぞ」

(・・・やっぱり・・・っ)

城までの帰り、抜け道の事
しんたの事、怪我のこと、謙信さまたちの事を順番に話していく湖
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