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【イケメン戦国】私と猫と

第18章 秘密の抜け道(裏:謙信、信長)


幸村の後に続き、馬貸しの両親、しんたも駆けつけ湖に詫びた

「姉ちゃんっ、怪我・・怪我はない?!」
「大丈夫、ちょっと汚れちゃったけど・・ほら、怪我は・・っ」

にこりと微笑みながら、着物の埃を払い立ち上がろうとすると右足に痛みを感じよろめいた

「うん、大丈夫だよ。心配させてごめんね」
「っ、ほんとに?ほんとに怪我してない?」

大丈夫だと言う湖に話を合わせるように、信玄がしっかり支え湖を立たせた

「確かに怪我は、無いようだな」

周りには、解らないように身体を支えてフォローする信玄
湖は、それに甘えるように少年に向き直る

「怪我はないし、馬も大丈夫!みんな無事で良かったね」

彼には、先ほど両親に話をしたのと同様
しばらくは遊びに来れないことを話した
そして、信玄と幸村と共に、乗ってきた馬でその場を離れる
少年が手を振っているのが、見えなくなったところで三人は馬を止めた

「なにが、怪我ないし・・・だ」

むすっと眉を潜める幸村に、湖は、言い返す言葉が見つからない

「まぁ、彼らに心配掛けたく無かったんだろう。相変わらず優しい天女だ、君は」
「信玄様、いいかげんにして下さい。っというか、お前はなんで一人でこんな所まで出歩いてるんだ?」

(あ。それ聞かれたくなかった・・・)

「・・・湖、顔に出ているよ。まさかとは思うが、誰にも言わず出てきてるんじゃないのか?」
「あ・・・えっと・・・はい・・・」

信玄の問い詰めるような目に、正直に頷く湖

「はぁ・・・安土の奴らは、よっぽど平和ボケしてるな・・・」
「実は、佐助君が前に用意してくれた抜け道で出てきてるから・・・そう簡単には見つからないと思うんだ」

湖がいくら、こっそり出てきても誰かには見つかる
その湖が、見つからず出てこれているのは佐助の用意した抜け道のおかげだった
いつの間にか、作られた抜け道
城の誰もが、信長だって知らない
よく作ったな、と湖は感心していた
そして、こっそり出て行きたい時にはちょくちょく利用させてもらていたのだ
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