第4章 眠りの森の (裏:三成、光秀、秀吉)
■光秀 選択
「では、いくぞ」
光秀は湖を肩にかけるように置くと、まずは着物を取りに湖の部屋へ、続いて湯殿へ向かった
「さて、着いたが…何をしている…」
湯殿へは時間もかからず到着し、光秀は湖を下ろそうとしたが
着物に爪を立て、降りようとしない猫
「爪を立てるな」
言われて、はっとしたように爪を引っ込めると
「湖、元に戻してやるから降りろ」
一瞬戸惑いを見せたが猫は、トンっと音を立てると床に降り丸まった
(私…どうして光秀さんを選んだんだろ…)
「今回は俺が湖を鈴に変えたのが始まりだ。俺が責任をとろう」
(選んだんじゃない…あの状況に着いていけずにいたら、すでに光秀さんに連れられ出れてたんだ)
しゅる…
(あの三人の中じゃ一番意地悪そうな人なのに…)
「行くぞ」
「みゃっ?」
首後ろを摘ままれ、ぶらんぶらんと揺られながら湯船へ
(あれ…なんか……)
光秀はそのまま一緒に湯浸かっていた
「猫と風呂は初めてだな」
くくっと笑い湖を見る
「お前は、人でも猫でも何を考えているか丸わかりだな。あとで湯殿へまた来るのは面倒だろう」
(!!…うそでしょーこの人!?ムリですっ私、混浴なんてしたこと…!)
チリンっ、リンリンっ
「にゃっ!にゃっ!!」
首根っこを持たれていた猫が急にバシャッバシャッと暴れだし
「暴れるな…毛が滑…」
バチャンッ!!
湯船に大きなしぶきが上がった
ぶくぶくと湯船から泡が上がるのを見て、光秀はため息をつく
「だから言っただろう…手間のかかる…」
暴れた猫は、そのまま湯船に沈みぶくぶくと泡が上がっている
光秀は手探りで猫を探すと、ぎゅっと軽く力を込めた
ばしゃ…!!