第4章 眠りの森の (裏:三成、光秀、秀吉)
光秀は湯船のなかに落ちた猫の尻尾を握ったのだ
バシャッと湯が大きく揺れ、女が姿を表した
リンっチリリンっ
「っぷっはぁ!…げほっ、けほっ」
湖は口に手を当て涙ぐんでいた
湯船に大きく波が立つ
水を飲んだのか苦しそうに咳き込んだ湖を引き、向かい合わせに自分の方へ引き寄せると、トントンっと背中を叩く
「世話が焼けるな、これでは秀吉で無くとも心配になる」
咳き込みが落ち着くまで、光秀は背中を叩いたり擦ったりしていた
ようやく落ち着くと湖は急に
「…痛いし、苦しいしっ!光秀さんも!猫の扱い悪いですっ!」
光秀に股がっている状態で、湖は怒ったが光秀はにやりと意地悪そうな笑みを浮かべる
「光秀さん!聞いてますか!」
「そう騒ぐな…今、見ている…」
(??)
するりと、背中にあった手がそのまま湯船に沈み湖の腰に当てられる
「…あ…んっ」
ざわりと甘い感覚が走る
「大きさは小振りだが、色も形も綺麗だな。やはり…お前の肌は白くて綺麗だ」
「何言って…っっ!!きゃっ…!」
ようやく状況を把握したか、湖は腕で胸を隠し真っ赤に染まった
「…やだっ…!」
「安心しろ。こどもには手は出さない」
平然と言う男に買い言葉のように湖はとっさに言い返す
「なっ?!…私は大人ですっ!」
「ほぅ…」
湖は、光秀の意地悪だけど何処か色香のある笑みが目に入りぞわりと寒気が走った