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【イケメン戦国】私と猫と

第16章 かごの中の鳥


政宗から聞けば、南蛮船の乗員はわずか
とらわれていたのは、女こどもばかり
解放後、堺の領主に預けたので心配はないという
エルマー達は、不在
おそらくまだこちらに着いていないんだろう
ただし、逃げたものが居るかも知れないのと、エルマー達がこちらに向かっているのでまだ数日はこの宿に待機ということだった

敵を迎え撃つ

彼らが主導で、人を攫い奴隷として売りに出そうとしていたのは、光秀が証拠を掴んだ
攫われた人たちからの証言は三成がしっかりとっていて間違い無いと裏付け出来た
「野放しには出来んな」
信長がそう言うからには、彼らは・・・

「信長様」
「なんだ?」
「・・・たぶん・・・推測で証拠もないんですが、ヤスフェさんは知らないと思うんです」
「なんでそう思う?」

光秀が、湖を見て問う

「彼は、言葉を理解していません。エルマーさんは、ヤスフェを買ったと言ってました。仲間として見ていると言いましたが、そうゆう眼差しでは無かったと思います」
「・・・そうか」

陽が落ち、部屋には灯が灯された

「湖様は、エルマー布教師をどう見ますか?」

三成に聞かれ、湖は胸元にしまったものを意識する

「私は・・・やっぱり悪い人では無いと思います。悪い人ではあって欲しくない・・・と」

窓の方へ持たれていた湖の背後に、温かな空気が当たる

ちゃきっ!

湖以外の武将達が、刀を手に空気を緊迫させた

「My precious」

そう言われて、湖は怖さより先に忘れていたことを思い出した
あの幽霊騒動の晩にささやかれた同じ言葉を
後ろから、首元を撫でられ顎を持たれ上げられる

『悪いね、期待に添えなくて』

そう言い、湖の腰を引き外に引っ張る

「っ湖!!」

政宗の刀が、その人物の毛先を切った

湖は、何が起っているのか把握できないまま外に放り出され落下の感じに身を縮ませた

『大丈夫、落とさないよ』

そう聞え、目を開ければ
そこには黒装束のエルマーがいる

すぐに横抱きにされ、駆け出す彼は忍びのように身軽で素早い

振り落とされないよう彼の服を握ると、エルマーの口許もとがふっと綻ぶ

『悪いけど、そのまま大人しくしていて』

抱きかかえられて、どのくらい離れたのか
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