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【イケメン戦国】私と猫と

第16章 かごの中の鳥


言われて、衝立の後ろに身を隠し荷から着物を出し着ていく湖に
信長は茶を飲みながら、声を発した

「昨夜の事は、覚えているか?」
「は、はい・・・」
「貴様が、鈴になってから報告が入って、攫われた女子達の行方が解った」
「え・・・」
「此処に居るらしくてな。今、光秀と三成が詳しく調べている」

信長と共に、政宗も状況を説明してくれる
それを湖は、必死に頭で整理しながら聞いて居た

やがてほどなくして、光秀と三成が戻ってくると
昼餉をしながら、停泊船の様子などを報告する

「あと、エルマーたち・・・あの一行もこちらに向かっていると、秀吉様より知らせがありました」
「俺たちに気づいて追ってきたか・・・」
「さぁな、予定より早く出向するのか。それとも・・・」

ちらりと目線を湖に向けた

「獲物を狩りに来たのか・・・か?」

(ん?・・・獲物??)

信長の言葉に小首を傾げると、光秀がその頭を秀吉がやるようにポンと撫でた

「さぁ、どちらにせよ、あれらの到着は早くて今夜だ」
「光秀さん」

すっと手をだされた

「これを持っていろ」

持たされたのは、あの鳥の紋様が入ったイヤリングと小刀

「え・・・これって・・・」

さっと顔色が変わる

「俺が持っているより、お前が持っていた方がよい・・・感だがな」
「感って・・・っ、これだって・・・」

ぱくぱくと、口を動かせば

「私も、そう思います」

と三成が箸を置きながら口を挟んだ

「まぁ・・・持っていても悪いことにはならないだろう」

政宗も

「だって、これ・・・幽霊・・・」
「命令だ。貴様が持っていろ、湖」

最後には信長に言い渡され、湖は光秀から二点を受け取り手拭きにくるむとその懐へ仕舞った

(う・・・なんか・・怖い・・・)

最初は、そう思っていたがその内そんなことを考える暇も無いことに巻き込まれていく

光秀と三成がそろえた情報により、昼餉後
あっけなく南蛮船から攫われた女性達を見つけ解放した
そしてその船は制圧され、乗っていた船を大破
乗員は斬捨てられた

この際、湖は三成と共に宿に残り三人を待っていた
三人が宿に戻ったのは陽が落ちた後

「戻った」

信長の声と共に襖が開く

「あ、おかえりなさい。みなさん」
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