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【イケメン戦国】私と猫と

第16章 かごの中の鳥


「湖!お前は、しばらく一人になるなよ」
「う、うん」
「・・・湖、秀吉の言うことは聞いておいた方がいいぞ。気をつけるに越したことは無い」
「わかりました」

秀吉と光秀に交互に言われ

(まるで、お父さんとお母さんみたい・・)

等と思っていると、同じ事を思っている人がいたらしく

「・・・お前達は湖の親か」

と、信長が呆れた表情を見せた

「だとしたら、俺が父親で、お前が母親だな」

にやりと、光秀が笑って秀吉に向く

「なっ・・・なんで、俺が母親だ!」
「確かに・・・」
「・・・」
「そうですね、秀吉様が母役の方が、しっくり・・・」

ビシッ!ビシッ!ビシッ!!

「「「っ・・・!」」」

三人の頭に秀吉の手刀打ちが落ちる
油断していたところに素早い手刀、政宗と家康、三成は頭を抱えていた

「っだ、大丈夫?」
「俺は、何も言ってない・・」

湖の呼びかけに、家康が答えた
その三人に駆け寄る湖の片手を掴み、その場に留めると

「・・・だとしたら、お前らと湖の接触は絶対にゆるさんぞ」

その額には青筋が浮き上がっている

「あの・・・秀吉さん・・・」
「なんだ・・・」
「その・・・私は、秀吉さんがお母さんだと思ったことはないですよ」
(ちょっと、ちょっとだけ、思ったけど)

秀吉は湖の心配そうな顔を見て、はっとした

「すまん・・・」

手を離すと湖は、安堵の表情を見せた

「信長様も、変なこと言わないで下さいよ」
「変な事は言っていない。お前達は、湖を過保護にしすぎだ・・・湖も、今までの事を考えて少しは疑う事を身につけろ」
「っ・・・う」

(そう言われると言い返せない・・・)

それでも、心底根の悪い人なんて一握りも居ないのでは無いかと思ってしまう
みんな何らかの理由や原因があっての行動

(だからって、許せることと許せないことはあるけど・・・)


城の外、宿まで歩いていた男が話し出した

『あの姫…一人で何百人分の価値になるな』
『…それは、語学についてですか』
『当たり前だ、言葉が通じあの外見…わざわざこの地に来たかいがある』

エルマーは黙った

『さて、どうやれば手にいれられる?』

ヤスフェは前を歩く二人をじっと見ているだけだった
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