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【イケメン戦国】私と猫と

第16章 かごの中の鳥


彼は、湖の出して欲しい音をそのまま出してくれる
それに喜んで、にこりと見返せば
一瞬ビクリとしたものの、小さく微笑み返してくれた

「湖、まだか?」

信長が上座から声を掛ける

「はい。今から歌います・・・上手く行くか解りませんけど・・」
「構わん。聴かせろ」
「・・・では」

ヤスフェと目を合わせて、彼がギターを弾き出すと、湖は父が子守歌のように歌ってくれていた歌を歌い始める

(・・・懐かしい曲・・・)

『I wander'd lonely as a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees…』

歌い終われば、周りはしんと静まり誰も声を発さない

「あ、あの・・・だめでしたか?」

気まずさの中、湖が声を出せば一番最初に手を打ち言葉を発したのはヤスフェだった
大きな手で大きな音の拍手をし、聞き取れない言葉を湖に向ける
表情からするに、賛辞だと思った
なぜなら、ヤスフェが今までにない表情で
にこやかに湖を見ていたから
湖は、ぺこりと彼にお辞儀をする
すると、次に聞えたのは政宗の声だった

「話せるとは聞いたが、歌まで歌えるのか・・・お前、実はすごいんだな」
「実は・・・って何よ」

笑って返せば、信長が手を打つ

「面白い。実に、愉快」
「初めて、あんたがすごいと思ったよ」
「湖、今の歌はどんな内容なんだ」

喜ぶ信長達に、湖が日本語で歌の内容を話す
エルマーともう一人が、湖をじっと見ていることに気づかずに
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