第16章 かごの中の鳥
「じゃあ、あんたの色素が薄いのは異国の血が混じってるせいってわけ?」
「・・・」
途中、茶を挟みながら全員の質問に答えていた湖だったが、陽が落ち大分時間がたち薄暗い中の灯にうとうとし始めていた
家康の質問も、耳に入っては居ないようで、今にも閉じそうな目で呆けている
「湖、部屋に戻るか?」
腕を掴んで立たせようとすると、限界を迎えたようにその捕まれた腕の方へと倒れた
そんな湖を受け止めてため息を零す秀吉
「御館様・・・」
「連れて行け。色々面白い話が聞けた。湖には、褒美を考えておく」
「では、このまま部屋に連れて行きます」
「秀吉様、私が・・・」
「いい。三成、お前は光秀から礼の布教師について話を聞いて置いてくれ」
「かしこまりました」
秀吉は、湖を抱え治すと天主から出て行く
その姿を見ていた政宗が、ぼそっと漏らした
「・・・いつまで兄で居るつもりなんだか」
「・・・兄で居てくれた方が、助かるんじゃないんですか?」
「貴様ら、湖は俺のものだということを忘れるな」
家康も加わった後、信長は二人を軽く制した
その翌日、いつものように女中が何度か起こしに来る中、珍しい音が耳に入って湖は自然に目を開けた
(あれ・・・この音って・・・)
湖の目覚めに気づいた女中の一人が、着物を運んでくる
それは昨日とは変わって、淡いピンクの落ち着いた着物だ
支度をして、音の方へ向かって進めば、そこでは小さな宴が行われている
上座に座るのは、信長
そして、政宗、家康、秀吉
あの三人の異国人も居た
その内の一人、黒人の一番背が高く、体格のいい男がギターを弾いている
(あれは、ギター?ちょっと、違うけど・・・でもギターだよね・・・)
「湖、起きたか?ここに来い」
「政宗、どうしたの?」
「あんたは、相変わらずだね・・・」
「家康・・・あ。ごめん・・・私、またずいぶん寝てた?そう言えば、昨日何時寝たのかとか覚えてないんだけど・・・」
小声で話していると、信長に呼ばれて上座の前に出て行くことに
「あの・・・なんでしょうか?」
「あの音に合わせて歌え」
「・・・?」