第16章 かごの中の鳥
三成が様子に気づき、湖に対して説明をした
その後に秀吉が補足をする
「じゃあ・・・あの人たちが?」
「これから証拠をそろえるところだ」
光秀が、短刀を懐に終いながら湖を見る
「南蛮人との交流は、世界を知るのに役立つが・・・民の略奪ともなれば、話は別だ。即刻、対処する必要があるからな」
信長は、何杯目なるか解らない酒を飲んだ
(・・・でも、あのエルマーって人は・・・悪い人じゃなさそうだけど・・・)
「湖、呆けている場合か・・・今日の事についても話せ」
「今日??」
「大活躍したそうだな、湖。お前が異国の言葉を操るなんて初耳だ」
政宗が背中を軽く叩いた
(あ・・・その事か・・・)
「あの布教師になんと答えたのかも教えろ」
信長は、興味を持っている様子だ
「えっと・・・言葉は、私の祖母がイギリスの人間なので祖母から自然と覚えました」
「え・・・あんた、異国の血が混ざってるの?」
家康をはじめ、皆が驚く
(そうだよね、この時代じゃあり得ないよね・・・でも、嘘つく理由もないし・・)
「私の居た世では、国際結婚といって異国の人との結婚は普通にあるんです。祖母もその一人で、なので父はハーフ・・・半分、異国の血が混ざっていて、私も少しは混ざってることになるのかな・・・」
「・・・いぎりすというのは、異国の国の名前か?」
「はい」
「・・・ほう、先の世はそのような事になっているのか・・・」
(信長様・・・こうゆう話聞いてるときは、こどもみたいにワクワクした表情するな・・・)
「・・・貴様が、話していた英語・・・だったな。他に何か言葉がわかるのか?」
「えっと・・・カルテを書くのにドイツ語を少し・・・」
「かるてとは、なんだ?」
「あの、獣医診察の個体毎に付けている問診票です・・・でも、ちょっとだけですけど」
武将達に質問攻めにされながら、その夜はふけっていった