第16章 かごの中の鳥
『でも・・納得いきました・・・外見の割に、大人な話し方をされると思っていたのです。良く解りました・・・まぁ、外見は私も驚かれるんですが・・・湖には比べられませんね』
『?・・・貴方は、年上かと思ったのですが・・・』
『やはり見えますか?・・・私は・・・僕は、これでも21です』
(・・・この人年下なの?!)
しっかりした印象で、物腰も堂々していたため年上だと思い込んでいた湖は、かるいショックを受けた
『驚きました・・・』
『よく言われます』
その後、他愛のない話を少しし湖は門までエルマーを案内した
『ありがとうございました。今日は、湖にあえて良かったです』
『こちらこそ。楽しいお話ありがとうございました』
『・・・やはり、似ている』
『え・・・?』
『いえ・・・湖は、私の知り合いによく似ているのです』
(知り合いに・・・?あれ・・・私、なにか忘れてる気がする・・・)
彼は、振り向くと手を振って去って行った
(いい人そうだったな・・・久々に英語話して、なんだか変な気分・・・)
「なんだ?湖じゃないか・・・お前・・・」
「あ、政宗。お帰りなさい。どうだった?新しい領地」
「お前、いつから童になったんだ??まぁ、それはそれで可愛いが・・・」
(あっ・・・)
すっかり忘れていたことの1つ
着替え
「み、見ないで!着替えてくるっ!!」
「あ、こら・・・」
脱兎のごとく、逃げ出した湖は自室まで走って行き、女中に手伝われながら着替えをしたのだった
「失礼します、湖です」
「入れ」
着替えを済ませ、信長が待つ天主へ向かうと
そこには先ほど出くわした政宗も加わり、全員が酒と摘まみを囲んで座っていた
「ここで飲むなんて・・・なんだか珍しいですね?」
「俺が土産に持ってきた酒が旨かったらしい・・・行っていた領地の名物だと貰ってきたんだが、あいにく酒には興味が無いからな。報告ついでに、持ってきた」
湖の問いには、政宗が答え自分の横に来るように招いた
湖は、素直に政宗と家康の間に座ると上機嫌に酒を飲む信長が目に入った