第16章 かごの中の鳥
「あんたに、こんな特技があるのは知らなかった」
「俺も、初めて知った・・・信長様は、知っていて湖をこの場に?」
「いや・・・だが、十分楽しめた」
残りの三者は、三者で湖の英語に関して話をしていた
(って・・・いうか・・・私、やっぱり解ってないんだけど・・・)
「あの・・・、私昨夜寝て・・・起きたらここに居たんですが・・・一体??」
「その通りだな」
「あーーー、悪い。湖、寝ぼけていたが、勝手に着替えさせてた。さっきのは、南蛮の者との謁見だ。すごい活躍だったぞ、ご苦労さん」
秀吉が、わしゃわしゃと頭を撫でる
「本当に。すばらしいです、湖様」
合わせて三成も、湖を労る
「あ・・・いい・・です・・・すいません、お手数おかけして」
秀吉に、湖は深々とお辞儀する
「起きない私も悪いので・・・」
湖は、真っ赤になって詫びる
「それにしても・・・あんた、着物でずいぶん変わるね・・・」
家康が、湖を見れば、秀吉も同意するように頷く
「ああ。ずいぶん姫らしく見えるぞ」
「あ、ありが・・」
「・・幼く見えるけど」
「それは、湖があのまま起きなくても童で済まされるようにと思ってな」
湖の礼も途中で切り裂くように、家康と秀吉の会話が始まった
要は、こどものように見えるような着物にしたってことらしい・・・
失礼だと思うが、この時代に来て変わってしまった自分の寝起きの悪さ
聞いてるだけで、申し訳無い気もあり言い返せない
「・・・湖、立って見せろ」
「え・・あ、はい」
信長に言われ、その場に立つとくるりと回ってみせる
「・・・十五六・・・」
(ん?)
「・・・その位でしょうか」
信長の言葉に同意を示すのは三成だ
そこに秀吉が、顎に手をかけ
「いや、せめて十八・・・いや七・・・六か」
「寝てれば、四でも通りますよ」
家康がため息混じりに口を挟む
「あの・・・なんの話を??」
その時、「失礼します」と襖を開き光秀が入ってきた
光秀は、目の前に立つ湖を見て、目を丸くし笑い出す
「湖、今度は何を始めたんだ?・・・くく、裳着前の童のようだぞ」
(もぎ・・・?)
首を傾げれば、三成が説明をしてくれる