• テキストサイズ

【イケメン戦国】私と猫と

第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)


■謙信


あの日から、数日後
湖は、城下へと足を運んでいた
よくは覚えていないが、謙信と幸村、佐助にあったことははっきり覚えている
迷惑をかけたであろうことを、詫びをしなければと、
そう思って彼らが行きそうな食事処を探して歩いていた

(いないな・・・あんな事もあったし、一度戻ったのかな?)

「・・・逢いたいな・・・」
「誰にだ?」

(?!)

上から覗き込まれるように、声を掛けられ驚くと・・・

「政宗っ」

次の瞬間には担がれ歩き出される

「しけた顔してるな、湖」

急に抱えられ、叫ぶ湖
そうこの数日、城下に出ると必ず政宗に会って城に連れ戻される

「ま、政宗っ、下ろして。私、用事が・・・」
「・・・どんな用だよ」

じろりと小さく睨まれれば、なにも言い返せない

(謙信さま達を探してるなんて・・・言えないよ・・・)

この日も同様、城まで連れ戻されてしまった
湖は、知らない
この様子を見ているものが居たことを

その夜、明日こそは・・!
と思いながら、褥に入ると・・・天井からトントンという音がする

「っ・・・!・・・さ・・すけくん??」

驚きながら、そのまま佐助を呼べば、天井の板が外れ佐助が顔を出した

「正解」

寝そべったままなので、その顔がよく見える

「びっくりした・・・」
「こんな時間にごめん」

音も無く降りた佐助が、上半身を起こした湖の側に来る

「そして、あまり時間が無いんだ・・・湖さん、またごめん・・・」
「へ・・・?」

謝りながらの佐助が懐から取り出したのは、鈴の好物

(あ、鰹節・・・っ)

湖がそれを認識すると同時に、鈴の声が聞え意識が途絶えた

にゃーん

手の平の鰹節を、ぺろりと舐めに来た鈴の頭を撫でると、鈴は気持ち良さげに答えた

「鈴もごめん、しばらく此処に入ってくれ」

鈴を自分の懐にしまう
そして、湖の寝衣を持ち、褥には着物などをいれ人が寝ているように見せると、天井に戻った
/ 1197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp