第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)
お互いに確かめるように、口づけを交わす
少し唇が、離れる度に聞える水音は、夜のそれより心臓を高く鳴らす
誰かに見られるかも、聞かれるかも・・・
そんな思考が半分
もっと欲しい、もっと触って
もう半分は、政宗を求めている
湖は、少し高い位置にある政宗の頭を抱きしめるように手を伸ばす
唇が離れたと思えば、湖が政宗に両手を伸ばしてきた
何も羽織っていない湖から、湖の香りが漂う
甘く優しい匂い
化粧とは異なる湖だけの香りに政宗はされるがままに、頭を預けた
つま先立ちで、政宗の頭を包むように抱きしめる
ふわっとした髪の毛から、政宗の香りがした
「政宗、大好き」
「・・・」
「政宗の香り、落ち着く」
くんと、鼻を鳴らすように自分の髪に顔を埋める湖
同じように、政宗も湖の髪に顔を埋めた
「っ・・、くすぐったいよ」
「そうか?」
政宗の手が背中から腰へと滑る
その感覚に、ぞわりと背筋が疼いた
「っん・・・」
「・・・湖、手・・離せ」
そう言われ、手を離せば色香に満ちた政宗の瞳と目が合う
どくりと、心臓が音を立てた
「・・・お前は、俺のものだからな」
「・・・うん」
みっともない独占欲、そんな事を思いながらも、返される笑顔が嬉しくて仕方ない
湖を押し倒し、少し乱暴に口づけを落とす
政宗は、自分の襟元に手を掛け襟元を少し開けば、そこから除き見えるのはたくましい胸板
遠慮がちに、湖はそこへ手を滑らせ、政宗の心臓の音を感じる
どくん、どくん・・・
いつもより少し早そうなその音は、更に愛おしさを増させる
「政宗・・・いっぱいお仕置きしてね」
「っ・・・」
いつもより大胆な湖
やはり、発情期の影響が少しあるのじゃないか
そんな事を頭の片隅にあるものの、獲物に煽られてもう止まりそうも無い政宗は
「知らねーぞ」
そういい、覆い被さった
政宗と湖が部屋を出てきたのは、次の朝
下女たちの視線や、武将達の小言に
湖はさらに数日部屋に籠もったのでした
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政宗編終わりです
今回は、さらっとこんな感じに仕上げました
糖度濃いのがお好みの方、すみません
次がんばりますね