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【イケメン戦国】私と猫と

第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)


半刻ほど探すも、鈴は見つからず
湖の部屋に向かえば、湖の髪飾りが落ちている

「自分で外に出たのか、誰かに連れ出されたのか・・・」

秀吉がそう呟いて、髪飾りを拾い上げるとちょうど部屋にたどり着いた三成が秀吉の言葉を聞き取っていた

「鈴様が、この城を勝手に出られた事はありません。あるとすれば、意識が湖様なのか、誰かに連れ出されたか、だと思われます」
「何やってるんだ、湖のやつ・・・三成は、引き続き鈴を探せ。俺は信長様に知らせてくる。万が一、連れ出されたのだとしたら・・・」
「まだ六日目、湖様の話から計算してあと二日もしくは三日ほどは、あの状態が続くかと思われます」

その後も城内を捜索するも鈴の姿はなく、捜索は城外へと広がった


*同時刻 安土城外れの長屋にて*

「・・なんで連れてきてんだよ」

幸村が、佐助の持っている猫を指さし露骨に嫌そうな表情を出す

「そんな顔しないでくれ、幸村。ついて来てしまったものはしょうが無いじゃないか、明日送り届けるよ」
「その前に、めちゃくちゃ警護が増えそうだけどな・・・そいつの保護者は全員過保護だぞ」
「・・まぁ、どうにかするよ」

さらりと、佐助が幸村に返す

「でも、謙信様が居なくて良かった。居たら、明日に返すなん・・」

がらりと扉が引かれると、そこから謙信が入ってくる

「俺がなんだ?佐助」
「っ・・・!謙信様・・・今回は城に残ると・・」
「そのつもりだったが、暇だったのでな・・・鈴?」

にゃーんと、返事をすれば佐助に抱かれていた鈴は、謙信へと飛びついた
喉を撫でれば、ごろごろと甘えてくる

「やはり来て正解だったな」

ふっと謙信が笑って見せた

「謙信様、実は手違いで鈴がついて来てしまったので、これはちょっとした誘拐です。明日にも返してく・・・」
「別に構わん・・・かえって都合がいい」
「まさか・・・このまま連れ帰るつもりじゃ・・・」

謙信が鈴を持ち上げて一通り下から身体を一通り見回す

「・・・何やってるんですか?謙信様」
「髪飾りが無いな」
「そう言えば、あのリンリンなるのがないか・・・静かで良いんじゃ無いんですか・・・って・・・何を・・っ」
「あ。」
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