第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)
やはり、あの時の反応
あれが、原因のようだ
「で・・・どうしますか?鈴から湖に戻しますか」
「ここにある8日まで、あと3日。3日たっても戻らねば戻す」
信長の一言は、すぐに武将達に伝わり鈴はのんきに縁側で昼寝をしていた
政宗が照月を連れてくるまでは
夜になり、寝食を貰う鈴は三成の部屋を訪れた
ただそこには先客が居て
「いらっしゃいませ、鈴様。政宗様が、虎を連れてきてくれましたよ」
もう無理矢理何かをしようとするわけでもなく、鈴がせっかく居るならと、政宗が照月を連れてきて遊ばそうとしたのだったが・・・
「・・・鈴?」
襖に半分身体を入れた状態で照月を見て止まってしまった鈴に、部屋にいた三成と政宗はじっと見入る
照月は、鈴を見ると嬉しそうに駆け寄った
すると、途端に毛を逆立てた鈴の姿が変わった
「っ・・・!?し、照月!?」
久しぶりに聞いた声、見た姿
そこには、抱きついてきた照月をかるく受け止めるように湖の姿があった
その表情は、ひどく焦っている
「「湖(様)っ」」
「っ!?・・政宗、三成くんっ・・・」
そして、政宗と三成に気がつくと今度は困惑しながら頬を染める
「え・・・?」
「・・・湖?」
自分の肢体を隠すこともなく、勢いよく立ち上がると、照月を置きかけだした
「ち、近づかないでっ!!」
「な・・・っ」
「っ湖様!」
湖は、三成の部屋近くの空き部屋へと駆け込む
照月を三成の部屋に置き、政宗と三成は空き部屋へと向かい襖に手を掛けるが、湖が押さえているのか軽く引いても開かない
「こら、湖!近づくなってどういう意味だっ」
言われた言葉に腹を立てたように政宗が言えば、「そのまんまです!」と即返答が来る
「っお前・・・」
「・・・湖様・・・訳を教えてください・・・」
「っ・・・」
ガッ・・・
三成への返答に戸惑っていると、襖が政宗によって無理矢理開けられそうになり、それを必死に押さえる湖
がしっ、が・・・
「開けろっ」
「だめだってばっ!!・・・っ、話す!話すから、開かないで!」