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【イケメン戦国】私と猫と

第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)


■さかのぼること六日前
「失礼します、湖です」

広間の襖を開けると、軍議に呼ばれた湖が部屋に入る
いつもなら部屋の隅に呼ばれるまで控えている湖だが、この時は違った
一歩部屋にはいると、ビクリと身を固め立ち止まっていた

「・・・湖、入り口で何をしている」

信長に声を掛けられ、驚いたように頬を染めて部屋の隅にと座った
結局、湖は呼ばれるまで胸に手を当て深呼吸するような仕草を何度も見せていた






「家康、ついたぞ」

三成の部屋に、鈴が居るはずだと政宗と家康はそこへ向かっていた

「三成、入る・・・」
「少しっ・・・あっ・・・」

部屋に入ろうとし、襖を開けるとその隙間から煤色のものが素早く飛び出していった

「な・・・?!」

開いた襖から三成の部屋を見れば、いつもは高く摘まれていた書籍が倒され散乱している
入り口まで散乱している本を拾いながら政宗が声を掛けた

「これ・・・鈴か?」
「はい・・・まぁ、私が悪いのですが・・・」

歯切れ悪そうに答える三成に、家康は眉を潜めて理由を聞く

「実は、湖様に戻っていたこうかと、鈴様に頼んだのですが・・・その途端に暴れ出されまして・・・」

要は、鈴に口づけして湖に戻そうとしたらしい

「三成でも駄目か・・・」
「?・・・でも?」
「・・・湖に戻そうと、信長様、俺・・・三成と一通り試したんだがな」

家康は呆れたようにため息を付いた

「ようは、全員拒否された上、湖の姿も見ていないという事ですか」
「「そうだ(そうです)」」
「猫一匹に何をやってるんだか・・・黙ってってもいつか戻りますよ」

部屋から出て行こうとすると、そこには見覚えのある羽織りが・・・

「いや、今すぐだ。どうにもあいつののんきな顔を見ていないと落ち着かん」
「・・・信長様」

がっくりと肩を落とす家康に、信長が声を掛ける

「あとは、貴様だけだ。しばらく顔を見せなかった貴様に仕事をくれてやる」
「そんな仕事いただかなくても、色々と忙しいです」
「その分は、秀吉に回せば良い」
「・・・は?」
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