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【イケメン戦国】私と猫と

第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)


「鈴か・・・」

自分の片足に乗ってきた猫を撫でながら信長が言葉を漏らす
チリリン・・・と音を立てて鈴は、信長にすり寄った


●翌日
「昨日から湖を見てないな・・・どうしたんだ?」

書簡の整理しながら秀吉が言う
その部屋の縁側で鈴はのうのうと昼寝中だ


●翌々日
「お、鈴、いいものやるぞ」

懐から干した鰹を出して、政宗が鈴と遊ぶ

「照月の気に入りだ。お前も好きだろ?・・・最近、湖を見てないな・・・どうした?お前の主人は?」

鰹節を両手で押さえ、満足そうに食らう鈴は上機嫌で一鳴きする

その夜、しばらく安土を開けていた光秀が、我が物顔で城内を散歩する鈴を見つけ抱き上げた
抱き上げられた鈴は、撫でてくれとばかりにすり寄ってくる

「しばらく留守にしていたが、秀吉達が湖を見ていないと騒いでいたぞ」

鈴はもっと撫でろと、光秀の指をザラリと舐める


●湖を見なくなって四日後
「鈴様、ご飯ですよ」

魚を持って、三成が自室にいた鈴に皿を差し出す
美味しそうに頬張るのを見ながら

「鈴様・・・湖様は、どうされたのでしょうか?」

心配そうに呟けば、鈴は小首を傾げ「にゃ」と返した


●湖を見なくなって五日後
「家康、最近湖を見たか?」
「・・・あんたもですか・・・」

軍議を追え、広間を退出した政宗と家康
ため息交じりに家康が返す

「さっき、信長様と秀吉さんにも同じ事を聞かれましたよ。俺は、湖にも鈴にもしばらく会っていませんよ・・・此処に来たのも六日ぶりです」

政宗は、それを聞くと「そうか」と返す

「・・・いつから見かけていないんですか?」
「ここ五日くらい鈴だな」
「・・・・・・」

それを聞いた家康は、自分が最後に湖を見た時の事を思い出す

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