第4章 眠りの森の (裏:三成、光秀、秀吉)
煤色(すすいろ)の毛並みから、白い滑らかな肌
栗色の髪に着いた鈴が、チリンッと音をたて三成の頬をかすめた
目を閉じて三成の顔に手を添え…
「…ん…」
湖は薄目を開けたが、寝起きのようでそのまま三成にもたれ掛かってきた
変な体制で湖を支えていた三成は、驚きのあまりそのまま後ろへ倒れ、湖が三成を押し倒したような姿勢に
「ほぅ…簡単な方法がわかったな、三成」
光秀は一瞬目を丸くしたものの、すぐに冷静になりその様子を見ている
「!ぷっ…痛い…」
三成の顎に鼻をぶつけた湖は、鼻を抑え体を持ち上げた
その下から
「…!すみません、湖様…!何処かぶつけられましたか」
と三成の声が聞こえ
「だいじょうぶ、鼻ぶつけただけ…」
そう無意識で答えた
「三成くんはだいじょうぶ?何処か怪我してない?」
そう言い三成を見ると、三成は口に手を当てひどく赤くなっていた
「え?!三成くん、口切った?ごめん!私ぶつかった?!」
湖は、焦ったように三成に手を伸ばしたが
その際に自分が裸で、しかも三成に股がって居ることに気づき
声にならない悲鳴を上げた
湖も三成も動けずにいると、光秀はゆっくり立ち上がって側にあった三成の羽織を湖の頭から被せた
視界に写っていたものが羽織にくるまれ、三成は動揺しつつも湖の肌が出ないようしっかりくるみ困ったように笑ってみせた
「…すみません…湖様…その…上から降りて頂けますか?」
何も言わず、ガバッと立ち上がると部屋の隅で物のように固まってしまった湖に追い討ちのように光秀はさらりと言う
「湖、もう少し肉をつけた方が抱き心地が良さそうだな」
ビクッと顔を向けると、光秀の姿を確認しさらに小さく縮こまるのだ
そこへ襖を開く音がし声がかかった