第1章 タイムスリップ
「お前は誰だ」
目の前の黒い甲冑の男性
目がくらみ、急に変わった景色
燃えさかる炎の中、倒れるように寝ていた人を起こし外に飛び出た
湖からしてみれば、あなた何者?と聞きたいが、彼の有無を云わさない態度に素直に名前を答えた
「青井 湖…です…」
「名字を名乗るか…妙な着物を着ているな…どこの者だ」
一歩一歩と近づく彼に、一歩一歩と後退し背を向けると一目散に逃げ出した
「待て…!」
「なにここ?!なにここ?!」
湖はパニックを起こし、ひたすら走り続け後ろを振り向くと、火事になった現場と自分のいる場所が目にはいる
何故か何もかもが大きく見えるが、今はそんなことも気にならず逃げた
やっと足を止め、息を切らしていると
急に浮遊感に教われ、目の前に顔に大きな傷のある男がいた
「…珍しい毛色と目をしてるな…どこぞから逃げ出したか?」
毛色に目?別に髪を染めたわけではないが、多少色素が薄いのか茶色の髪に薄茶の目
その事だろうか…そう思ったが、今はそれどころではない
(なに?この人?!大きくない?!)
身をよじると湖は再び駆け出した
駆けて駆けてドンと、思わぬ衝撃を受け目を回した