第1章 タイムスリップ
青井 湖は動物大好き女子
父親に憧れ獣医師免許を取得し、動物病院へ就職したが、日々虐待や事故なので運ばれてくる動物たちの命のやり取りに心が折れ
現在はペットショップでアルバイト中
この事は、家族には秘密である…
『ありがとう、湖。転勤先がシンガポールで、鈴は連れていけないけど…湖に預かってもらえるなら安心だよー』
『いいよー私も、鈴好きだし♪』
『ふふっ、鈴も嬉しそう。でも、ほんとごめんね、急で』
『うちがペットOKなマンションで良かったよ。鈴のことは心配しないで。これからすぐ出国でしょ?気をつけてね』
『ありがとう、じゃあ…鈴、ちゃんと湖の言うこと聞くのよ!』
にゃーん、鈴は了解したとばかりに返事をしてみせ
二人と一匹は別れた
湖は、猫の鈴を抱え家に向かっていた
友人宅とは近所であったため、鈴をゲージにいれなくとも問題なかった
鈴も、頭のよい猫で呼べば戻ってくるし抱っこが好きなので暴れたりもしない
「鈴、今日からしばらく私と一緒だね。仲良くしようね」
猫の生活道具一式と餌は、すでに家に持っていってあり
ぷらっと出てきた湖の所持品は、バックにスマートフォンとコンビニで気になって手に取った戦国武将イケメンガイドブック
実は京に住んでるのにあまり歴史に興味もなく 、なんとなく買ってみたのだ
「鈴、ちょっとお散歩して帰ろうか。天気いいし…」
この判断が誤りだった
ある場所で、眼鏡の白衣を着た学生に合った
直後に雨と大きな雷
目を開けると、そこは燃えていて
寝ている男の人を起こし、現状理解できないまま今に至る