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【イケメン戦国】私と猫と

第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)


湖の顎を固定していない方の手で、政宗は自分の胸のあたりを指で指す

「っ・・・ごめん」
「まだだ」

(?)

「見せて・・・と言っただろう?」

(あ・・・)

「見せてやるから、自分で見てみろ」

そう言うと、顎に掛けていた手を外し、その場に座る
上から政宗を見下ろすような状態で聞き返せば・・・

「・・・私が?」
「他に誰が居る?」
「う、うん・・・解った・・・じゃあ、見ていい?」

「ああ」と短く返事をした政宗正面に立ち膝をするように向かい合うと、湖は彼の着物にそっと手を掛ける
何も言わないで、湖を見つめてくる政宗
その視線を感じると、鼓動が早まった

「どうした?着物を開けないと見られないだろ」
「うん・・・」

頬に赤みが差す湖の事を、政宗は湖には解らないように笑った

(・・・なんか、怪我見たいなんて・・・変な事言っちゃったかな・・・)

そう思いつつも、やはり政宗の傷の具合は気になる
ちゃんとそれを見て、もう一度謝りたい
湖は、そう決意し手を掛けていた着物を優しく開きはじめた
すると、自分の着物、襟に政宗の手が掛かる

「え・・・?」

湖と同じように動作する政宗
少し開いた襟ぐりに夜の冷たい空気が当たる

「ま、まさむね?!」

少しうわずった湖の声に、政宗がなんだ?と言いたげに湖は見た

「俺だけ・・・ってのは、不公平かと思ってな。安心しろ、お前と同じ事しかしない」
「や。私の怪我はそこじゃないから・・・っ」

すると、腰紐があっという間に緩められ
寝衣は簡単に前があけられるような状態になっている
今は、重なっていて素肌は晒されていないが・・・

「ま、政宗!」

政宗の着物に掛けてあった手を引っ込め、自分の合わせを急ぎ抑えて彼を見る
湖によって胸元は少し見える政宗は妙に艶っぽく見えた
どきりと、鼓動を早めながら湖は政宗に

「ふ、不公平とか・・・意味わからないよっ」
「気にするな、俺がそう思っただけだ。お前は、構わず俺の怪我を見て良い」
「気にするよっ!」

明るい部屋は湖の表情をはっきり見せてくれた
にやりと、口元が上がる
それは、いつも政宗が意地悪するときの表情だった
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