• テキストサイズ

【イケメン戦国】私と猫と

第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)


下ろされた湖は、政宗の顔を見上げる
政宗は無言で湖を見つめていた

「政宗、お願い。何処に怪我したのか見せて・・・」

見上げてくる湖の瞳には政宗が映る
今夜は雲1つ無い月灯のまぶしい夜
閉めていない襖は月明かりがよく届く
しばらく無表情で見つめていた政宗が言葉を発する

「なんで見たい?」
「っ・・・光秀さんに、怪我したってきいた・・・私が勝手に抜け出さなきゃ・・・」
「少し待て・・・俺もその事についてだが、確認したおきたいことがある」

湖の言葉を遮るように、政宗が声を発した
止められた湖は、政宗を見る

「・・・うっかりしていたが、お前・・・どうやってあそこから出た?」
「ん・・・あっ」

思い出したかのように、湖は口元へ手を運んだ
それを見た政宗は顔をしかめる

(こいつ・・・)

その手に指を絡ませれば、湖は目をそらして下を向いた

「言わなきゃだめ?」

湖の声が聞えれば、その仕草に目を瞑りたくなるも・・・

「教えないなら、俺もお前の願いには答えない」
「う・・・」

顎に手を掛け、湖の顔が見えるように持ち上げると
政宗は自分と目が合うようにした

「・・・煙管にお願いしたの」

湖がポツリと話しだす

「なんて」

すかざすの返しに、言葉に詰まりながらも・・・

「煙管は、鈴になった私とも話せたから・・・人に戻してって・・・」
「・・・どうやって」
「・・・口づけしてって・・・お願いした・・・でも、煙管は物だし、神様だし・・・」

政宗の表情が段々険しくなっていくのを見ながら、湖はおどおどしく言い訳する

「・・・ほー・・・」
「人に戻ったら・・・ほら、大きさ的に紐は外れたし・・・あとは見つからないようにお城を出て・・・」
「抜け出したと?」
「・・・はい」

顎を固定され、顔を背けることは出来ない湖
目の前の男は、間違い無く不機嫌になっていると思った

「・・・解った。じゃあ、お前の質問にも1つ答えてやる」
「え・・・」

何か言われると思っていた湖は、呆気にとられた顔をしている

「怪我はした。ここに」
/ 1197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp