第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)
「たいした事無いにしろ、蹴られたのは事実だろう。治療はして貰え、湖」
「治療には賛成だ」
「せっかく、此処に家康が居るんだから見てもらえ、湖」
「政宗、秀吉さん・・・光秀さん・・・」
みんなの心配が嬉しい一方、嫌な予感も同時にしてしまう湖
「・・・あの・・・」
(駄目だ・・・さっさと部屋に一度戻ろう!だって、信長様なら・・・)
「ここで脱げ、湖」
ビクリと、身を固める湖
(絶対言うと思った!!)
そして、助けを求めるように三成の着物を握るも、求められた彼は気づくよしもなく
「大丈夫ですよ、湖様。すぐに終わりますから」
にこりと素敵な笑みを浮かべるだけ
(ちがうー、三成くん・・・)
「ひ、人前でなんて・・・しかも、皆さんの前でなんて絶対無理です・・・!」
「貴様、此度の一件、どれだけ心配を掛けたと思っている・・・政宗」
「は・・・。俺が、連れ戻した場所を勝手に抜けたしたな・・・三成」
政宗がため息を付きつつ言い切ると、三成を指名する
「はい、連絡を受けて訪れた際にはもうもぬけの殻・・・心配いたしました・・・秀吉様」
「それから所在が解った際には、燃えてる寺の中だったな・・・家康」
三成と、秀吉も同様
「・・・俺は、あなたたちほど心配していませんが・・・あの血で出来た猫を見た時には、驚いた・・・光秀さん」
家康は、少し怒ったように答え
「見張っていた寺に、お前が物の怪を引き連れ来た際には絶句したぞ・・・自分の血で式神を作り出すという発想もいかがな物かと・・・信長様」
光秀が、呆れたように続ける
「貴様には、俺の所有物だという自覚が抜けている。勝手に傷をつけてくるなど・・・春日山城の事があっても・・・懲りぬのだな」
最後は、信長が締めくくると、湖は何も言い返せない状態だ
「では、これで懲りるようにせねばなるまい。湖・・・」
低く甘い声が響く
ぞわりと背筋に悪寒が走る湖
「・・・ッ、見せたら・・・もう怒りませんか・・・?」
それは、其処に居る全員への質問
「「善処する」」
「「極力」」
「「・・・・・・」」
三成に支えられ、湖は立ち上がると
緩んでいた帯が足下に落ちる
「っ・・・」