第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)
「そうだ。さきほど、少し話したが・・・あの猫同様の物を湖が作った。どうやら血があれば、誰にでも作れたようだが・・・その際に、湖自身が自分でつけた傷から流れ出た血だ」
光秀が、無表情のまま答える
「・・・確認しましょう」
「三成っ、お前また・・・」
「必要ありませんか?」
三成が、湖に手を掛けようとするのを家康がその手首を取り止めた
が、そのまま湖を放っておくことも出来ず、その手を離す
「失礼します」
三成が、寝ている湖を抱き上げるとかすかに眉をしかめるような反応を見せる
(・・・どこか痛む場所があるのでしょうか・・・)
その様子に、一瞬三成も眉をしかめるがすぐに無表情になり、ゆっくりと帯を緩めようとする
それに、秀吉が気づき慌てて止めようとする
「ま、待て!三成!!こんな男だらけの場所で・・・」
「・・・?大丈夫ですよ、秀吉様。湖様は、この位では起きられません」
「起きるかどうかの問題じゃ無い!・・・湖が・・・・・・待て・・「このくらい」?とは、なんだ?」
三成と、政宗、それに家康
それぞれがそれぞれの反応を示した
そして、光秀は先ほどからくくっと怪しい笑みを浮かべたままだ
「お前ら・・・まさか・・・」
秀吉が、4人を順番に見ると・・・三成が申し訳なさそうに・・・
「報告しておりませんでしたが、春日山城から出たあと湖様の怪我の具合を確認するために、寝ている所を失礼させていただきました」
(それで・・・あの印に気づいたのか)
信長は、その様子を無言で見守る
「確認だけですので、何もいたしておりませんし、湖様はご存じありません」
「っあたりまえだ!!湖は、嫁入り前の娘だぞっ!」
秀吉がそう叫んだのに、湖がビクリと反応をする
「ん、・・・」
全員が息を飲むように静かになった
「・・・ん、・・・みつ・なりくん?」
眠たい目を擦りながら、湖が欠伸をした
「・・・おはようございます。湖様、目が覚めましたか?」
にこりと、笑う三成の顔が真っ正面に見える
「っ・・・あ、私、寝ちゃった・・・?」
「はい、お疲れの様子でしたので」