第13章 化け猫と私
寺が揺れ、湖は頭を隠すように縮こまった
その際、あの不気味な鏡が鏡立てが倒れ、バチンッ!!と音を立て真っ二つに割れた
「あ・・・っ」
鏡から漏れていた薄白い光がゆらゆらとゆれ、いつの間にか本物の火へと姿を変えた
「・・・っ!」
木造の倒壊寸前の寺、火が回るのは早く湖は白粉を片手に抱え、その火から距離を取る
視界に、まるで紙のように燃えていく鏡を捕らえながら
==================
フギャアァァ・・・!!
「っ・・・?!」
今まで、声を立てなかった化け猫が堰を切ったかのように、鳴き声を上げた
埃を被り、出される爪や赤いしずくを避ける避けていた政宗達は、その様子に目を見張った
「なんだ?!」
「・・・苦しんでる?」
家康が、そう言ったとき
彼らの後ろから新たな声が加わる
「なんだ・・・もう終いか?」
三成が振り返れば、其処には信長と秀吉が
「織田信長!」
顕如が険しい視線を信長に向ける
「・・・織田信長、わざわざ出向いてきたのか・・・」
クツクツと愉快そうに笑う僧
「湖は見つかったか?!三成」
「申し訳ありません、まだです」
秀吉は、三成に湖の所在を確認し「っくそ」と小さく呟く
そんな様子を少し見みて、僧侶は林の奧の寺を振り返る
其処は、代わりが無いようにも見えたが、かすかに
かすかに赤い光が漏れていた
「まさか・・・っ」
その様子を顕如は見逃さず、同時にその赤い光を見た
そしてそれが、火であることも理解した
フッフッ・・・ッフッ・・・ギャアアァァン!!!
苦しみに耐えるように、化け猫が前足を振り上げる
「っ信長様・・・!!」
ドガッという音共に、秀吉の刀にその足が乗り、そこから飛び散った血で秀吉とその後ろに立つ信長の着物が切れる
「こいつ・・・っ」
「秀吉様、それはあの母猫ですっ」
ザァッ!!
刀を払って、猫の前足を払いのければそれはふらついて倒れた
その倒れた振動と衝撃だけで数本の木が倒れる
「・・・これが、ほし・」
信長が、懐に手を差し入れ何かを出そうとすると・・・
林の奧から、倒れたそれとは違う赤い塊が飛び出て信長の手元に飛びついた
「信長様っ!」
すぐに家康が気がつき、刀を向けようとするが、その動きが止まった