第3章 先輩
「この時代では、猿飛佐助と名乗っている…君は?」
「青井 湖」
「君の抱いてた猫は…」
「鈴…です」
佐助と名乗った男は 、その後タイムスリップのことを詳しく話して聞かせてくれた
「じゃあ猿飛さんは」
「ストップ、佐助でいいよ」
「…わかった…佐助くんは、忍の仕事をしながらタイムホールのことも調べてるのね」
次にいつ出るかはわからないが、帰るつもりで研究していることを聞いた
「でも、佐助くん…すごいね。この時代にすっかり馴染んでて、忍なんて」
「4年も居ればね、それに手に職が必要だったし…それより、今後は 湖さんと鈴のことも調べないとな何か気づいた事教えてくれる?」
◇ここに着いてから鈴の姿をみていない事
◇三度は走った事で猫に変わり、そのうちの一度は記憶がない
◇一度、走っても変化がなかったこと
◇尻尾を持たれた時、犬が吠えた時、あと信長に渡された棒を見せ、たぶんこれで戻ったこと
思い当たることはすべて話した
棒を渡された佐助は
「ちゃんと調べるけど…たぶん、またたびの枝だと思う」
「じゃあ、鈴が寝ちゃってた戻ったって事かな?」
「…恐らく鈴が君の中で起きてる時間で走ると入れ替わって…鈴の好奇心が君の意識を勝ると君の意識がなくなる…鈴が逃げ出したいと思うか寝るかで戻れているんだと…出来れば湖さんの意識がある際に、確実に戻れる方法を見つけた方がいい」
そう真剣に考えている様子だった
「佐助くん…すごいね…私なんて混乱してるだけなのに…」
「俺は現代にいた頃からタイムホールの事を調べていたし、あれから4年も経過して君たちがこうなる可能性も多少は考えていたんだ…」
(こうなる?)
「あの猫はこの時代には存在しない種だから…ここに着くと同時に日本の古来種になるか、消えるか…そう考えてたんだ…」
黙ってしまった湖を見、佐助は何か困っていることはないかと話題を変えた
「あ、じゃあ!一般的な生活時間の流れと、お風呂やトイレのような一般常識っ!」
「…っ…君は思ったよりタフそうだ」
質問を聞き、笑いをこらえながら佐助は色々答えてくれた