第13章 化け猫と私
夢の話
だが、湖は革袋の中身を当てた
そして光秀の話
近隣の村で、動物を殺して歩く僧侶が居ること
そして、赤い獣が商家を襲っていること
その僧侶が安土に入ったこと
筋は通るように思えた
だが、猫の敵とは・・・
「猫が敵討ちとは、珍妙だな・・・」
「・・・だが、信じよう。お前は、俺のお守りだからな・・・その話、信じよう」
光秀が意味深な顔をしたが、信長は湖の言葉を信じた
すると、安心したのか湖が目を閉じた
「・・・薬が効いてきた」
「何の薬を飲ませたんだ?」
「風邪薬・・・それと睡眠薬・・・今、湖に必要なのは睡眠だから」
家康の胸に身体を預けて眠る湖を政宗が覗き込む
「・・・そうだな・・・」
「目を覚まされて出られては困りますね・・・今夜は・・しばらくは、注意が必要ですね」
三成は途中言い直しながら、湖を預かると部屋へと連れ帰って行く
「しばらく、あやつから目を離すな」
「はっ」
信長がため息を零し言う
そして、三成が戻ると話は再開した
「その僧侶が何者なのかは、解ってるんだろうな?光秀」
秀吉が詰められば、光秀は確証は無いが・・・と呟いた上で答えた
「あぁ・・・定かでは無いが、勘解由小路(かでのこうじ)家の陰陽師だと僧侶が口にしているのを聞いたそうだ」
「勘解由小路家・・・?」
「陰陽道は土御門家・・・今ではそうですが、かつては勘解由小路家という名も確かにありました・・・」
秀吉が呟いた言葉に、三成が応えた
「ですが、今残っている陰陽道は土御門家のみ・・・」
「そうだ。だから定かではない・・・その僧侶が動物を殺し・・・聞いたものの言葉を借りれば、犬や猫で式神を作って、評判の悪い商家を襲い金を配っているそうだ」
政宗が、眉をしかめる
「・・・なんで、その男が此処に現れたんだ?」
「それがな・・・斬ったんだが・・斬った感触がない・・・こいつだけが残った・・・」
秀吉は、懐から半分に斬られた紙を見せた
「・・・面白い・・・妖術のようなものか・・・」
「御館様っ!笑い事ではないです!三日後の新月の夜に、首を取ると宣言されて・・・くそっ・・・その前に見つけて叩き斬ってやる・・・」
「そんな宣言を信長様にしていったのか?」
政宗が、目を見開いた