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【イケメン戦国】私と猫と

第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)


ぎゅうと、三成の手を抱きしめる

「三成くんが好き・・・」

目を開けた湖が三成を見上げた

「大好き」
「・・・湖様・・・」

かあぁと頬を染める三成に、同調するかのように湖の頬も染まっていく
そして、がばりっと起き上がると、三成と繋がれていた手を離し、慌てたように付け足した

「あ、のっ・・・やっぱり寝ぼけてるのかも・・・私・・・」
「あ、嘘じゃ無いのよっ・・・でも何して欲しいって訳ではないの・・・っだからっ、聞かなかったことにしてくれても・・・っっ」

途中から自分でも何を言ってるんだか・・・という感じで頭が混乱してきた湖

「っ・・・」

最後には涙目で俯いた

「・・・湖様・・・良ければ、私の部屋でお茶にしませんか」

三成は、湖の手を握るとその場を立たせ、無言のままの湖の手を引き自室へと向かった
すっかり冷めた茶を入れ直し、先ほど持ってきた茶菓子と共に、湖に出す
お茶は、お盆に少し零れ色も薄い
それでも、その対応が湖は嬉しかった

無言な部屋
また高い日の光が差し込む
沈黙を破ったのは、三成だった

「先ほどの・・・」
「っ!気にしないでっ!!」
「それは、無理です」
「・・・っそうですよね・・・」

ぎゅうと、自分の着物を握る湖

「・・・嬉しいです」

しわしわになった着物が解放された

「え・・・」
「お慕いを受けるというのが・・・こんなに嬉しい事だと思いませんでした」

顔を上げれば、すぐ側に三成の顔があった

「・・・湖様のお帰り・・・誰よりもお待ちしていました」
「みつなり・・くん」
「私の話を聞いていただけますか?」

三成は、湖と目を合わせたまま話し出す

「私は、織田の参謀。いかなる時も、情を挟まず作為を考えなければなりません。今回、湖様を連れ戻す算段を考えたのは私です」

それは、淡々と続いた

「湖様は記憶を無くされていましたし、上杉候の加護を受けていらっしゃったので、情報を引き出す為の尋問や拷問は無いと考えました・・・ただし、記憶があった場合はそのような尋問等をされ領内の情報が引き出される前に・・・湖様を・・・湖様をどうすべきか・・」
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