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【イケメン戦国】私と猫と

第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)


■三成編 『告白』■

三成は、茶と茶菓子を持ち湖の部屋に来ると、丁度女中が出てきた所だった
話を聞けば、寝ている様子
女中が下がるのを確認し、静かに襖を開き中に入る

部屋に入れば、其処には穏やかな寝息を立てる湖がいた
仰向きで、すーすーと小さな息

その表情を見て、三成はどこか安堵した様子を見せる

「おかえりなさいませ・・・湖様・・・」

側に膝を突き、前髪に触れれば、薄らと目が開く

「あ・・・すみません、起こしてしまいま・・・っ」

湖は、三成の指に自分の指を絡ませるように手を取り、三成のいる方に顔を向けた

「みつ・・なりくん・・・」

トロンとした瞳、まだ寝ぼけている様子だった

(湖様、寝ぼけていらっしゃいますか・・・?)

「・・・はい」

返事をすれば、まるで子供のように無邪気に微笑む湖
三成の心臓は、どくりと音を立てる

「・・・すき・・・」

目を細め、小さく呟く湖

「え・・・」
「好き・・・三成くんが・・・」

つながれた指に力が加わる

「湖・・・様・・・」
「好き・・・」

三成の頬が赤く染まり、彼は口元に繋がれていない方の手を運ぶ

「・・・寝ぼけて・・・いらっしゃいますか?」

目線を泳がせ、そう言えば

「うん・・・」

彼女は三成の顔を見るように、じっと上を見上げている
目元はトロンとしているが、寝ぼけているようには見えない
そして、続けた

「・・・そうかも・・・寝言だと思って聞いて・・・」

目を瞑った湖
三成と繋がった手を包むように、胸元に運び続ける

「・・・好きなの・・・三成くんの事が好き・・・口にするつもりは無かったけど」
「・・・」
「記憶がなくなっても、夢に出てくるの「湖様」って優しく呼ぶ人が。夢で会う度に苦しくて、泣いてしまった。会いたくて、呼んで欲しくて・・・その人と居たいのに側に居なくて・・・」

湖は一度言葉を句切った

「私は・・この時代の人間じゃ無い。いつか、ここから居なくなるかも・・・だから、伝えない・・・そう思ってた。でも、こんなに思いが募ってた・・・口に出さないで後悔するのと、口に出して後悔するのなら・・・私は、口にする方を選ぶ・・・」
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