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【イケメン戦国】私と猫と

第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)


(謝るのは俺だ・・・もっと早く追いつけば、怖い思いも怪我もさせなかった)

「悪かったな・・・」

(・・・でも、生きててくれてよかった・・・失う事が、こんなに・・・)

「政宗・・・好き・・・」
「・・・?!」

(今・・・なんて言った・・・)

「湖」

揺すり起こそうと、肩に軽く手を当てた時、
その手に湖がすり寄ってきた

「大好き・・・政宗・・・」
「・・・・・・っ」

カッと一気に頬が赤くなる
自分でも解るくらい熱い
捕まれていない方の手を顔に当てる
その手が外れた時、政宗は満面の笑みで湖の名を呼んだ

「湖・・・湖、起きろ」
「ん・・・」
「・・・起きろ、起きてもう一回言ってみろ」
「んん・・・」
「・・・生殺しだろ・・・」

揺すっても起きない湖
そのまま襲ってやろうかとも思ったが、『好き』、先ほどの言葉を聞けばそんな気も押さえることが出来る

(だが、ここで離す気もしねぇな・・・)

「よし・・・」

政宗は湖を抱え、腰を上げると、自分の御殿へ連れ帰る事にした
途中であった女中に、明日連れて戻ると伝えて

ゆらゆらと心地いい揺れ
湖は、政宗の胸に顔を擦りつけるように寄ってくる

「・・・勘弁してくれ・・・」

苦笑しながら、御殿へ
自室へと着いた政宗は、自分の褥へ湖を寝かせ置いた
寄ってきた照月に

「今夜は駄目だ、遊んでやれない。悪いな、照月」

そう声を掛ければ、照月は『仕方ない』とでも言いたげに部屋から出て行く
政宗は、湖を抱えて横になり、首もとに顔を埋めた

(…湖だ・・・)

湖の香りが、鼻をくすぐる

(・・・久しぶりだな・・・こんな近くに湖を置くのは、あのおるげん大名以来か・・・)

あの時、湖が言っていたことを思い出す

(気になっている・・・だったか)

くっと笑うのを堪えた
夢の中の湖は、確かに自分の名前を呟き、好きだと言った
それが、こんなにも嬉しく感じるなんて、政宗自身が驚きだった

(こいつは・・・俺にとって、かけがえ無い存在・・・って事か・・・)
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