第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)
拘束を解くことも、着物を治すこともせず湖を部屋に置き去りにすると、光秀は四半時(しはんとき)ほど戻ってこなかった
いつから光秀の御殿に来ていたのか室内は真っ暗になり月明かりさえ届いていない
どうにか拘束を解こうとするも、結び目は固くほどけそうに無い
(光秀さんが戻るまで、待つしかないか・・・)
やはり、素直に答えた方がいいだろうか・・・
謙信の事を・・・
言い訳だと言われても、言うべきかも知れない
そんな事を考えていると、徐々に子宮が疼き出す
「っ・・・」
(光秀さん・・・さっき、何をしたの・・・っ)
何も与えられないのに、ひくつく其処に足を閉じただ耐える
それでも、その感覚は増すばかりで、ついには股に液が垂れる感覚がし出す
「っやだ・・」
すると、外から足音が聞え徐々に部屋に近づいてくる
(っ!こんな格好見られるわけには・・・)
息も上がりだし、気配を押さえることもままならず、どうにか身体を隠そうとするが、衣擦れにさえ刺激を感じ声を上げそうになった
すると、声がはっきりと聞えた
「こんな時間に・・・いきなり呼び出して何のようだ」
「まぁ、入れ」
(この声・・・っ、だ・・だめっ・・)
すっと、襖が開けばよく知った香りが充満する
「湖・・・?」
暗がりで見えない部屋の奥で何かが動く
(だめっ、来ないで・・・見ないで・・)
入ってきた人物は足を進め、奧へ進む
光秀は、襖を閉じ部屋の灯明皿に油を注ぎ、火をつければ部屋は薄暗く灯された
「ひで・・よし・・さん・・・」
両手を後ろで拘束され、帯をしたまま着物を開かれ素肌をさらす湖の姿が秀吉の目に映った
「なっ・・・!」
紅潮した肌、潤んだ瞳に、荒い息
太ももから伝う液は、明りが灯ったことでテラテラと光って見える
「っ、光秀・・・一体・・・」
湖から顔を反らし、光秀を見ると
光秀は飄々とした面持ちで湖を見て
「ずいぶん苦しそうだな、湖」
と笑っていった