第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)
首ほどから始まった行為は、腰骨あたりまで達し、あと1つの跡・・・内股に手を掛けた際に湖が拒否を露わにした
「いやぁ・・!やめてくだ・・さいっ!!」
それは、甘い声とは少々異なるもの
信長の行為が一瞬止り、彼は一息つくと、湖を仰向けにし顔を合わせた
「どうした」
顔を反らし、泣きじゃくる湖の顎に手を掛け、目を合わせれば湖が名を呼ぶ
「のぶ・・ながさま・・・」
「なんだ」
湖は、止らないしゃっくりを飲み込むように声を出す
「怒って・・いらっしゃるん・・ですか・・」
「・・・どうしてそう思う」
「っだって・・いままで、・・こ、んな風に・・・されたこと・・」
湖が、この行為に対して、信長が怒りの感情で行った事だと思っていることに気づいた彼は、彼女の零れる涙を指で拭き取る
「違うな」
しっかりと、湖と目を合わせて答えれば、湖は「じゃあ」と言葉を続けようとする
「お前が誰のものか・・・印をつけ直しているだけだ」
「・・・しるし?」
そうゆうと、信長は一度湖から離れ、何かを手に戻ってくる
その1つを湖に手渡すと、座って持つようにと指示される
されるがまま、彼の指示に従い、手わたれた鏡を手にすれば、信長は湖の背中の方へ一枚の鏡を立てかけ
湖の手に、自分の手を添え後ろの鏡を見るような角度まで持ち上げた
「どうだ・・・見えるか?」
「見える?」
後ろの鏡には、自分の背中と信長が映っている
「よく見ろ」
そう言われ、覗き込めば
背中に無数の点がある
「・・・なんですか・・・これ」
いつの間にか、止った涙
湖から鏡を取り、横に置くと
信長はその手を取り、腕に口づけを落とす
「っ・・・ん!」
甘い痛みに、フルリと身体を揺らせば、其処には同じような点がある
「・・・っ?!」
「理解したか・・・越後から戻った我が物に、こんな印が付いていた・・・ならば、その上に俺の印をつけていくしかあるまい」
無数の点が、キスマークだと解ると
わけが解らず、真っ赤に染まる湖
なにぶん本人に覚えが無ければ、なおさらであろうと信長は思った
「あと1つというところで泣出しはじめたのだ、貴様は」
「っ・・・」