第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)
「湖」
頬に手を当て呼んでも湖の反応はない
軽く叩いても「んんー」と反応するくらいで、起きる気配がない
(こやつは、そうであったな・・・驚くほど眠りが深い)
「湖、起きぬなら我が手に収まれ」
湖を持ち上げ、天主へ運んでいく
途中であった家臣は、一瞬驚いた顔をして見せた
天主へ戻った信長の部屋には、献上の品が届けられていた
(鏡か・・・良い品のようだ・・・湖の部屋にでも置くか・・・)
横目でそれらを確認し、湖を羽織の上に下ろす
その際に、不意に目に入ったのは着崩れた湖の襟元から見える小さな痣
(・・・傷の話を聞いた際、家康達が言い淀んだのは・・・これか)
湖の帯を取り着物を脱がせ、襦袢の一切も取り除くと、信長は湖を見た
頭からつま先まで、視線を下ろし確認していく
形の良い胸が、呼吸の度に上下する
白い肌には、怪我や傷の跡はなく以前見たままだった
「見事なものだな・・・」
湖の背中に手を回し、うつぶせの状態にすれば
彼から珍しく舌打ちが聞える
「やってくれたな・・・上杉・・・」
其処には、多々散らばった赤い花の跡
自分のものであると主張するような跡に、ふつふつと沸く感情があった
ただ、それが背の部分
湖が自ら確認出来ないような位置につけられている事が解ると、信長は不敵な笑みを浮かべる
(なるほどな・・・湖が許したわけでは無いようだ・・・)
「ぅ・・・ん・・・」
素肌であることが寒いのか、湖は軽く震え背中を丸めるように縮こまる
(・・・猫のようだな)
その身体を包むように覆い撫でてやれば、縮こまった身体は徐々に緩んでくる
「・・・湖」
耳元で名を呼べば、くすぐったそうに首をすくめ
肩に顔を埋めれば、「ぁ・・・」と甘い声を出す
(これで起きないのが不思議な位だ・・・)
「では・・・いつ起きるのか試してみるか」
ニヤリと笑うと、湖の上に覆い被さるように体制を変え
薄く空いた唇の下唇を吸うと、舌を差し込み絡める
「・・ぁん・・・」