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【イケメン戦国】私と猫と

第11章 安土への道


「最初は、皆の目が怖くてとげとげしかったんだけど・・・でも、それは信長様に連れてこられた当初、政宗や秀吉さんもそうだったし・・・今思えば、私は敵の人間だもの!当然だよね!少しずつ仲良くなって、最近は皆挨拶を交わしてくれるようになったの」

ニコニコと話を続ける湖は、本当に世間知らずな姫のように無邪気に見える

「湖様の良い所です」

三成も微笑むが、不意に湖の表情が曇る

「三成くん・・・?どうしたの?具合悪い??」

(いつもの天使な笑顔じゃない感じ・・・)

「心配いりませんよ。もっとお話をお聞かせ下さい」

三成は、微笑みを崩さない
他の三人は、三成の聞き取りを待つかのように口を挟みはしない
湖の聞き取りなら、三成が適任だと承知の上だ
だが、湖は周りの顔を見ていた

(政宗・・・なんか・・・怒ってる?家康も、眉間に眉寄せて・・・不機嫌そうだし・・・いつも気持ちが読めないような表情で笑っている光秀さんまで・・・)

「っ・・・あ・・・のっ、本当にすみません!!」

勢いよく頭を下げ、湖は四人に謝った

(私・・・なんか、普通に答えていたけど・・・私のせいで、この数ヶ月時間を割いてるんだ・・・っ、怒ってって当然だよね・・・っ)

「・・・湖様・・・」
「っなのに、私・・・自分のことばかり話て・・・」

三成が何か言おうとしていたが、それに被るように湖が涙声で声を出す

「別にあんたに怒っている訳ではないし・・・越後での話はむしろ確認しておきたい・・・」

家康が、泣出しそうな湖に声を掛けた

「でも・・・みんな・・・」

(怒ってるんだもの・・・絶対、怒ってる顔してるよ・・・)

零れそうな涙を飲み込むように顔を上げれば、政宗は深呼吸するかのように息をし、家康は片手で顔を覆っている
三成と光秀は、いつの間にかいつもと変わらずの表情に戻っており

(あ・・・れ・・・??)

「そうですよ、湖様。幸い今日は、昼過ぎまで此処で休んでも安土には日が沈む前に戻れる距離です。城に戻れば、忙しくなるやも知れません。今のうちに、越後の話をお聞かせ下さい」
「・・・三成くん?」
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