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【イケメン戦国】私と猫と

第11章 安土への道


「・・・湖様が・・・ご自身で確認出来るような場所には付いていないのです・・・」

相変わらず無表情ではあるが、他の三人がそれを確認し終えたのを見計らって、脱がせた襦袢を静かに着せていく

「だから何だ?!」
「・・・湖は、知らないという訳か・・・」

光秀が呟けば、

「こんな事されてて起きないんだから可能でしょうね・・・」

家康も同様だと言葉を足し頷いた

「そういう事だと思います・・・詳しくは、湖様が春日山城でどう過ごされていたか聞けば解ると思いますが・・・少なくとも、湖様自身は解られていないかと」
「余計に腹が立つな・・・」

三成は、襦袢を着せ終わると着物は上にかぶせるように掛け湖を見つめた
政宗は、拳を握り閉めた

「確かに・・・女の寝込みを襲っているのは悪趣味だな・・・」
「寝ていたとは限らないでしょう・・・酒、またたび・・・いくらでも湖が気づかない場面は想定出来る」

光秀は、先ほど座っていた場所に戻ると、再度杯に手を運んだ
家康は、湖を見たまま眉間にしわを寄せる

「三成、湖をかして」

三成から、湖を受け取ると額に掛かった前髪を避けた

「今確認した感じだと、あの事故の傷跡は身体にはなさそうだったけど・・・此処は少し残ったか・・・」

前髪の生え際近くに、薄らと浮き出ている跡
それは、前髪をあげていないと解らない程度にはなっていたが、怪我をした跡だというのは誰が見ても解るようなものだった

「っ・・・額の怪我か・・・」
「このせいで、記憶が混乱していたのでしょうね・・・」

政宗が思い出したように覗き込んだ様子を見つめ、三成が呟いた

「まぁ、時間は掛かったが湖は取り戻した。先ほどの上杉が言っていた「側室」の件も、まだ憶測ではあるが真実では無い事も解ったのだ・・・湖が目を覚ますまで、俺たちも一時休憩だな」

光秀は何杯か酒を煽ると、柱に凭れ目を閉じた

「まぁ、そうだな」

政宗もそう言い、自身の刀を前に置きその場に横たわった

家康は、湖を褥へ運ぶとその隣の柱を背に凭れ目を閉じ、三成もまた出入り近くの柱を背に休息を取り始めた
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