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【イケメン戦国】私と猫と

第10章 敵陣の姫 第三章(裏:謙信)


佐助の言づてを聞き、三成が言えば、皆足をそろえ城下へ降り、用意してあった馬で越後を早々と出た
出た時刻は、夕刻であったが、万一の追っ手も考慮し、織田領内までは早馬で突っ切ることになった
湖は、問答無用で政宗の馬に乗せられ、質問攻めを覚悟していたが
織田領内に入るまでの間、四人は必要最低限の会話のみで、後は馬を走らせるだけであった


領地に入ったのは、翌日早朝
疲れていたのか湖は、政宗の馬に乗ったまま彼に保たれるように眠っていた
三成が、宿を手配し男四人と、政宗抱えられた湖が部屋に入る
すると、彼らはようやく息を付き、それぞれが深く眠っている湖の顔を眺めていた

「相変わらず、のんき・・・」
「きっとお疲れになったのでしょう、家康様」
「こいつのこんな面見て、安心するなんて・・・俺も世話焼きになったもんだ」
「真の世話焼きは、未だ落ち着かずにいるだろうな」
「あ、急ぎ、秀吉様と信長様に知らせを出しましょう」

三成は、一度書簡を書くため部屋を出ると
光秀は、家康と政宗を見て声を掛けた

「良かったな、お姫様奪還が出来て」
「姫って柄じゃないでしょ、湖は」
「まぁ、良かったさ・・・ここ数ヶ月・・・目の前で消えるあいつの顔ばかりが浮かんでいた・・・ようやく、のんきな顔を見られて・・・安心はしている」
「・・・そうですね・・・」

二人は、目を細め湖を見ていた
光秀は、そんな二人を見て苦笑した

「では、俺には礼をしてもらんとな・・・」
「・・・はぁ?」
「お前達、誰のおかげでスムーズに城内に出入り出来たと思っている?こちらが放った間者は全部捕まったわけじゃ無い・・・」
「そうですね、顕如の配下を単独で動かして、遠ざけておいたのも功を奏しました。ここまでの道中無事でしたしね」

いつの間にか、戻った三成も光秀の後に続く

「やはり、お前か。顕如の配下の者を動かしたのは」
「えぇ。邪魔になりかねなかったので・・・ただ湖様に手をあげたのは計算外で、おかげで姿を出す羽目になりました・・・光秀様の間者、一体何人越後に潜り込ませているのでしょうか?」
「・・・今回の騒動で、半数は減ったな・・・また手を掛けるしかあるまいな・・・」

光秀と三成の会話を聞く、二人は苦い顔でその様子を黙って見ていた
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