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【イケメン戦国】私と猫と

第10章 敵陣の姫 第三章(裏:謙信)


「さて、どういたしましょうか・・・」

待ち宿で三成が茶を飲んでいた

「どうするも、ここまで来たら真っ向から攫う」
「はぁ・・・戦吹っ掛けに来たわけじゃないんですよ、今回は」
「そうですね、湖様を連れ戻す為に・・・こっそり来たのですよ」

政宗は、どんと寝そべると「柄じゃねぇ・・」と言い息をついた

「春日山城は、難攻不落と言われる城ですが・・・単体で忍び込むには、問題ないでしょう・・・ただ、湖様を攫いに本丸に忍び込むのは難しいですね。我々の姿も確認されてしまいましたし・・・」
「・・・いつ・・・?」

三成の話に、家康が口を割る

「先ほどです。眼鏡の忍さんが、偵察していましたから・・・」
「はぁ?!お前、気づいていたのかよ」

政宗もがばりっと、起き上がって三成を睨む

「あの忍、私がこちらに来てから湖様が城を出ると、ずっと張り付いているので・・・それで、湖様を遠くから見守るしか無かったのですよ」

にこりと微笑むと、三成は続ける

「湖様を取り戻しても、私一人であちらの方々を相手にするのは難しいですし・・・お二人も来られたので、そろそろ堂々として良いかと思いまして」

微笑んではいるが、いつもの笑みとは違う
どこか冷たい空気を感じる笑みに、政宗は「・・・ほぅ」と含み笑いをして見せた

「そんな顔のお前をみるのは、珍しいな」
「・・・湖が絡んでいますからね・・・」

三成を見ていた家康がため息を零した
そんな三人の空気を断ち切るかのように、襖の外に気配を感じ全員が刀に手を掛けた

しゅ・・・
そんな音を立て、襖が開くと其処には酒瓶をぶら下げて光秀が立っていた

「・・・なんだ・・・鬼の首を取るような面だな」

そう言い入ってきた光秀は、酒瓶を畳に置くと柱に凭れるように座った

「光秀・・・お前、わざと殺気立てて・・・悪趣味だな・・・」
「そう言うな、少々からかっただけだ。政宗」

三人は、息を吐くと光秀同様にその場に座る

「呑むか?」
「いるか・・・んで、お前はどんな情報を持ってるんだ・・・」

酒瓶から直接、酒を口に含むと光秀は

「特には・・・鬼が後方に下がったのと・・湖が城内でよく出歩く場所・・・くらいだな」
「城内・・・」

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