第9章 敵陣の姫 第二章(裏:謙信)
「私、最初・・・死刑宣告された感じだった・・・」
「ぷっ、お前それ構えすぎ。俺たちに、こんなに守られてそんな目に遭うわけ無いだろ?」
幸村が、湖の話を聞いて笑った
「・・・幸村、私のこと嫌ってないの?」
湖が、幸村と会ってから今日の今まで思っていて口にできなかったことを聞いた
「嫌ってねーよ・・・ただ、正体が知れないのと、織田の人間だから、警戒はしてた・・・けどな。お前、織田の人間って感じしないし、正体ってもただの猫娘だしなー・・・拍子抜け」
「なにそれ・・・っぷ・・」
嫌われていたと思い込んでいた湖は、幸村の答えに笑ってしまう
「幸は、口が悪いからな・・・誤解を招いたようだな」
「・・・別に悪くないし…」
三人は、湖の当てられた部屋で大いに笑った
その部屋に佐助が入ってくるのは、もうすぐのこと
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その頃、安土城では・・・
「なんだそれは…?」
「春日山城下でまことしやかに流れている噂だそうです」
「俺たちが殺したことになってる」
「…そうみたいですね」
政宗と家康が軍義の間で話をしていると、信長、秀吉、光秀が入りそれぞれの位置に座った
「お前たちの耳にも入ったか?」
光秀が最初に声をかけた
「…三成がわざわざ信長様とは別に報告くれましたよ」
家康は不機嫌そうに書簡を見せた
「…噂がこう着地するとはな。まぁ、湖が生きていることは確かだな」
「ですが、この噂に以前の噂も考慮すると…湖が記憶を無くしている可能性はあります」
信長が発した言葉に、秀吉が続ける
「可能性な…確かな情報は三成の報告を待つか、俺の斥候からの報告を待つしか在るまい」
「光秀、お前からの報告はなんだ」
「…顕如を春日山付近で見たという報告が入りました」
信長は光秀の報告に肩眉を上げた
「おそらくは、この噂を聞きつけたものと思われますが、目的はまだ把握できておりません。顕如達の動きも注意した方が良いかと・・・」
「解った」