第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)
家康はどう対処していいか困惑していた
人に泣かれて困ったなんて無い、というより泣かれたことがない
泣かれても気づいていなかったのかも知れない
今、目の前の湖が急に泣き出し、まるで初めて泣いた人間を目の前にしたようでどうして良いのか困惑していたのだ
「…私が、もっと…上手にできれば、あんな風に爆発しなかったのに?」
(どうして、さっきの話でそこにいくんだ…ほんと…湖は…)
「…もう、あんな真似はしないで欲しいんだけど」
「え?」
「…あの大名が怪しいのも、何か仕掛けてくるのも想定内。あの木箱も…おそらく政宗さんは気づいたよ、あの仕掛けに…」
「っ、じゃ、じゃあ…私、余計なことっ」
止った涙がまたあふれ出しそうになる
「いや…正直、助かったと思ってる…」
「っ」
「でも、もうやめて欲しい…あんたが…」
(湖が、爆発に巻き込まれてたら…)
「湖が…居なくなるのは困る」
「へ…?」
撫でていた背中を支えて、湖の顔が見えるように抱きかかえ
呆けて涙が零れた目の縁に、口づけを落とす
「あんたが、消えるのは…困る…どうしていいか解らなくなる…」
「家…やす?」
「…泣いてる時はどうすればいい?」
触れるだけの口づけを落とせば、湖の顔は徐々に赤みを差す
「いえ…やすっ…!」
「泣き止んだ?」
今度は、後頭部に手を回し長くそして深く何度も口づけをすれば、湖の息はあっという間に上がっていく
「っぁ、はぁ…」
合間合間で、息をつくがすぐに塞がれ頭の芯まで熱くなりそうだ
何度目かの口づけで、家康はゆっくり顔を離すと湖を確認し、その体を離した
「湖は…のんきに笑っていれればいい…」
そういうと、湖の体を畳に寝かせ襟元を少し開くと薄く残る傷跡に口づけを落とす
「っン…」
ぐいっと、広げ胸の膨らみを確認すればそこにも赤みが差し体温が上がっているのが、目に見えても解る
湖に気づかれないように笑うと、その膨らみに噛みつくように口づけを落とし強く吸い上げる